ミツノリ、反物用フレコン開発 リフトで簡単運搬 パイロット事業きっかけ
荷主
2018/08/23 0:00
ミツノリ(寺嶋和紀社長、福井市)は7日、反物を収められる長方体のフレキシブルコンテナバッグを独自に開発し、9月から物流企業や荷主に販売する、と発表した。細長い形状のフレコンは非常に珍しく、繊維製品だけでなく各種資材関連など幅広い需要を見込んでいる。(星野誠) 商品名は「フレ反くん」で、帝人グループで静脈物流などを手掛ける帝商産業(古川信之社長、福井市)と共同開発を行った。サイズは長さ1600×幅600×高さ600ミリメートルで、材質はラミネート加工したポリプロピレン。伝票などを入れる透明ポケット付きで、反物なら9~20本、重量300キログラムに耐えられる。 ミツノリは、トラック輸送における取引環境・労働時間改善福井地方協議会(川上洋司座長、福井大学大学院教授)の2016年度パイロット事業に参加。積み込み時間短縮などで一定の成果は出たものの、時間と労力を要する反物の荷役作業をいかに効率化するかという課題も、改めて浮き彫りになった。 寺嶋社長は「反物は4~6本を段ボール製カートンに入れるが、重いため作業効率が非常に悪く、良い梱包方法はないか考えた。専用のフレコンを使えば融通が利くと思い、開発に着手した」と振り返る。 床に置いた「フレ反くん」は、開いた状態でも折れ曲がらずに自立するので、収納作業がしやすい。ベルトをつればフォークリフトで簡単に運べるため、保管から出荷までそのまま使うことができる。帝商産業の宇津木勇社長補佐は「効率化とコストダウンを両立させたいと、寺嶋社長から要望があった。強度テストを何度も繰り返し、商品化にこぎつけた」と説明する。 販売はミツノリのグループ企業、フクミツ商事(寺嶋社長、福井市)が行う予定で、帝商産業が特許を、フクミツ商事が「フレ反くん」の商標登録をそれぞれ申請中。9月から、希望する企業にサンプルを提供する「お試し期間」をスタートさせ、商品を気に入れば販売する。 寺嶋氏は「パイロット事業をしなければ、この商品は生まれなかった。労働環境改善を第一に考え、物流現場での使いやすさを追求した。今後は、1800ミリメートルの長いタイプも作る予定で、反物に限らず様々な業種で活用していただきたい。将来的には、海外への輸出も視野に入れている」と力を込める。 【写真=反物を収納した「フレ反くん」】