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日ノ丸西濃運輸、運転者の労働環境改善 運賃引き上げ&荷役分離 平均単価7%増加

物流企業

2018/08/13 0:00

 【鳥取】日ノ丸西濃運輸(奥田繁吉社長、鳥取市)はドライバーの労働環境改善を目的に、運賃の引き上げ交渉を推進中だ。併せて、荷役作業の分離で作業負担を軽減するなど、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。(矢野孝明)  大手宅配事業者の相次ぐ運賃値上げで、産業界の意識が改めて物流に向けられたのを機に、同社も全支店で、本格的な引き上げ交渉に踏み切った。離れていった荷主もいるが、小口を中心に顧客ベースで6割程度が要望を受諾。平均単価は、以前と比べて7%増加した。  奥田社長は「希望した運賃が折り合わなかったため、小口顧客は2%減ったが、当社としては効率を重視した戦略の結果だ。減った分は、値上げでカバーできている」と、おおむね手応えを感じている。  一方で、高いハードルもある。製造業など大口の顧客は、交渉に慎重さが必要な上、小口と比べて反応の速度も遅い。奥田氏は「3、4年前からお願いに回っているが、思うような回答がなかなか得られない」と説明。  更に「現在の運賃水準は、2010年度の届け出運賃に対して50%レベルなのが実情。待遇改善の原資を得るためには、燃料価格の上昇分も勘案して、53%まで引き上げたい」と、粘り強い姿勢を見せる。  労働環境改善策として、荷役作業の分離も数年前から実施。リフトマンの増員などでドライバーの負担を軽減し、労働時間を短縮させている。集配車両は長距離向け大型トラックと同規模の200台を保有しているが、ほとんどのドライバーが午前8時出発、午後5時帰着の勤務体系。長距離運行も原則2泊3日の運行で、法令順守に臨んでいる。  今春には、改革推進室も開設した。専任者も置いて、労働組合と歩調を合わせながら、運行形態や労務管理の仕組みを再構築していく。  奥田氏は「市内の集配ドライバーは、仕事と家庭の両立が可能だ。長距離ドライバーも、輸送先では、セイノーホールディングス・グループの各拠点で完備している仮眠室やシャワー、食堂などを使用できる。福利厚生や社内の人間関係も含め、働きやすい職場づくりで人材難を乗り越えたい」と話している。 【写真=集配、長距離でそれぞれトラック200台を保有】





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