末広運輸サービス、手製自動洗車機を設置 拘束時間短縮に効果
物流企業
2018/08/13 0:00
末広運輸サービス(佐藤広徳社長、秋田県大仙市)では、手製の大型自動洗車機を設置し、拘束時間の短縮などに効果を上げている。2017年10月から導入しているもので、ドライバーの労働時間の短縮に加え、融雪剤による腐食(塩害)防止にも効力を発揮している。(黒田秀男) 従来は自走式小型洗車機とスチーム洗浄機を使用していたが、それぞれ1台しかないため、車両の帰庫時間が重なると、1、2時間待ちのドライバーもいた。それを改善しようと、手製の大型洗車機の設置を決めた。 冬季の寒冷・積雪を乗り越えるため、用水は井戸水を使用。新たに井戸を掘るとともに、さく井業者らとともに洗車機の製作を開始。試行錯誤しながら、手製洗車機の設置を目指した。 大型車用の門型洗車機で、高圧洗浄で汚れを除去する。ノズルは一般的な両サイド、上部(屋根)に加え、積雪地帯で問題になっている融雪剤の付着を取り除く、下回り洗浄ができるようにした。また、センサーを取り付け、自動で洗車できるようにした。 従来、15分程度かかっていた作業が3分で完了。洗車のための待ち時間が大幅に改善された。設置前の冬場は、車両の雪下ろし作業や足回り洗浄など車外での作業を強いられていた。今は外に出る必要が無いため、体調を崩したり、作業に伴う墜落・転落などの労働災害も防止できる。 このほか、井戸水を使用するため、場内の融雪効果もあるという。 なお、働き方改革では、労働時間の管理を徹底。関東方面への長距離輸送もあるが、時間外労働は月80時間以内を目標にし、現時点ではドライバー47人全員が達成した。高速道路の全線利用や手待ち時間の解消などに加え、出勤日数調整で対応。あるドライバーは、月18日間の出勤で、12日間は休ませたという。今後は徐々に月60時間以内を目指す。 佐藤社長は「休んでも収入が極端に減らないようにしている。労働力確保が最優先。きめ細かな時間管理で定着化を目指す。洗車機は象徴的な取り組み。メリットが大きい。ドライバーを大切にしたい」と話している。 【写真=上下左右の4面から洗浄する手製の大型自動洗車機】