日貨協連、ロボット点呼を調査研究 労働力確保むけ
団体
2018/08/13 0:00
日本貨物運送協同組合連合会(吉野雅山会長)は2018年度、全日本トラック協会(坂本克己会長)の委託事業として、ロボットによる点呼の可能性や課題を探る調査研究に着手する。協組内の共同(受委託)点呼は一部で実施されているが、実際の業務は人間(運行管理者、同補助者)以外、法的に認められておらず、中央団体がロボットによる点呼で実証実験まで踏み込むのは初めて。トラック業界の労働力確保難や働き方改革に伴う労働時間の削減などで深夜や早朝の点呼が難しくなっており、結果によっては将来、点呼業務規制の一部緩和につながる可能性もある。(北原秀紀) 日貨協連は3日、「安全対策強化に向けたIoT(モノのインターネット)・AI(人工知能)技術に活用の在り方に関する調査研究」委員会の初会合を開いた。委員会には、青年・次世代経営者連絡協議会のメンバーや、村田省蔵専務、流通経済大学の小野秀昭教授のほか、オブザーバーとして国土交通省自動車局貨物課の橋本恵一郎課長補佐が出席した。 ロボット「ペッパー」(ナブアシスト所有)による点呼のデモンストレーションや説明会はトラック業界で既に多く行われ、注目を集めている。当日もナブアシストの関係者が実演、出席者から質問が相次いだ。 調査では共同点呼、安全性優良事業所認定(Gマーク)取得を前提に認められているIT(情報技術)点呼、点呼に関するRPA(ロボットによる業務自動化)技術の現状と課題を整理。組合員事業者が自社の点呼でロボットを活用するケースと、共同点呼にロボットを投入する二つの実証実験を想定している。これらを通じ、安全対策強化や労働時間短縮、生産性向上に役立つIT点呼と運行管理業務支援の在り方を探る。 委員会を合わせて3回開催。11月と2019年1月から2月にかけて実証実験を行い、3月までに報告書をまとめる。 【写真=ロボット「ペッパー」による点呼の実演】