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国交省/国際コンテナ戦略港湾、集荷支援策を見直し AIで生産性革命 コンテナターミナル

行政

2018/08/13 0:00

 国土交通省は国際コンテナ戦略港湾政策について、港湾・海運を取り巻く状況の変化を受け、戦略港湾への集貨支援の再考やコンテナターミナルの生産性革命の推進などを踏まえた見直し作業に着手した。2018年度末までに行う方針だ。(田中信也)  3日開催した国際戦略港湾政策推進委員会で、港湾局が個別政策とともに阪神港・京浜港での港湾運営会社の取り組み、港湾・海運を取り巻く状況を報告。同委員会は14年1月に「集貨」「創貨」「競争力強化」の3本柱の政策からなる最終とりまとめを行い、これに基づき関係施策が進められてきた。5年目の節目を迎えるに当たり、施策の総点検を行い、政策の深化と加速を図るための取り組みについて協議した。  施策の推進によって国際フィーダー貨物・ネットワークの拡充、北米基幹航路の新規開設など具体的な成果が出ているものの、国内外からの集貨に向けた取り組みや、大型コンテナ船の寄港の増加、取扱貨物量の増大などを受け、更なる対策の拡充が必要なことを確認。  また、アフリカ・中南米航路のコンテナ船の大型化や3大アライアンスへの集約の進展といった港湾・海運を取り巻く状況変化も踏まえ、①集貨支援の見直しによる国内外とのフィーダー網の充実や積み替え機能強化②AI(人工知能)ターミナルの実現などを通じたコンテナターミナルの生産性革命③国際戦略港湾運営会社の海外展開による戦略的集貨とインフラ輸出――を今後の取り組みの方向性として提起した。  今後の施策について、委員からは「今後増加が見込まれる北海道の農産品貨物の横浜港への集貨に取り組むべき」「取り組み開始当初に比べ、釜山港からの貨物奪還の効果が薄れている。各戦略港湾の連携が図れるよう港湾運営会社の取り組みを改善すべき」「大型内航コンテナ船の新造や国際フィーダー航路網の拡大を推進し、コスト面でも釜山港に対抗できるようにすべき」といった指摘があった。  集貨の支援見直しに向けては「東南アジア貨物の更なる掘り起こしのため、特定港湾運営会社の役割は重要」「戦略港湾の欧米基幹航路との直接接続が重要なので、引き続き、設備投資とともにAIの活用などを手を緩めず、スピード感を持って取り組むべき」、コンテナターミナルの生産性革命では「労働力不足が港湾業界でも顕在化しており、遠隔操作化やAI、IoT(モノのインターネット)の活用、女性・高齢者が活躍できるための労働環境の改善が必要」などの意見が挙がった。 【写真=国際戦略港湾政策推進委員会で港湾局が施策の状況で協議】





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