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取引労働改善和歌山協、内航海運シフト推進 長時間労働抑制めざす

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2018/08/06 0:00

 【和歌山】取引環境・労働時間改善和歌山県地方協議会(辻本勝久座長、和歌山大学経済学部教授)は、2018年度のコンサルティング事業として、コンテナ内航船の活用による長時間労働の抑制に取り組む。17年度のパイロット事業では、トラック輸送から内航海運にシフトした結果、拘束時間の大幅な短縮を実現。このモーダルシフトを一層掘り下げ、労働時間の更なる短縮と手法の定着につなげる。(渡辺弘雄)  7月20日の会合で事業概要を説明。三菱電機冷熱システム製作所(和歌山市)が、神戸港まで陸上輸送している外航船向けコンテナを、和歌山下津港から神戸港への内航船に振り替え、ドライバーの長時間労働の抑制を目指す。  往路は三菱電機冷熱システム製作所から倉庫に陸上輸送し、コンテナに積み込んだ後、浅川組運輸(平野真幸社長、和歌山市)が和歌山下津港までトレーラで陸上輸送、下津港から神戸港へはコンテナ内航船で運ぶ。  復路については、空コンテナを神戸港から下津港まで海上輸送し、下津港から一時保管庫までのトレーラーによる陸上輸送は浅川組運輸が担う。  三菱電機冷熱システム製作所が取り扱うコンテナは年間3千個あり、全て陸上輸送している。このうち、和歌山の保管倉庫から神戸港までの一部の40フィートコンテナ分をモーダルシフトする計画。  意見交換では、和ト協の阪本享三会長が「実際の取引では、下請け業者が不当な取引条件を拒むと仕事を切られるのが実情だ。これは運送業に限らず、製造業でも多い。断る勇気があるか。まさに正念場」と窮状を訴えた。  また、竜田潤三氏(新栄陸運)も「適正取引に全く応じない荷主がいる一方、一歩でも近付けたい――と協力してくれる荷主もいる。大手メーカーでは、製品の値上げ理由を物流費のアップとしているが、下請けの実運送事業者の運賃にほとんど反映されていない。どの荷主と取引するか問われている」と厳しい現実を示した。 【写真=コンサル事業の計画示す】





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