サンコー、医療学生の実習に協力 ドライバー業務「知って」
物流企業
2018/07/23 0:00
【栃木】サンコー(阿部光記社長、栃木県日光市)は医療系大学の学生に協力し、医師や保健師の卵に産業実習の場を提供している。6月には獨協医科大学の医学部生のほか、帝京大学の医療技術学部の学生が実習で訪問。トラックの特性やドライバーの日常業務の様子、食生活などについて学んだ。 6月25、26の両日に帝京大学で保健師を目指す学生が、受講する「産業看護学実習」の講義の一環として来社。学生20人が労働現場での看護を学ぶため、サンコー側で2日分のカリキュラムを作成した。 講座の本題は、長距離と短距離運行に従事するドライバーの生活に対する、保健師としての改善指導だ。初日は自動車教習所を借り切り、2トンから10トンまでのトラック乗車体験を実施した。 その後、指導資料としてアナログタコグラフのチャート紙を用い、阿部社長が速度・時間・距離など記録内容の読み方を説明した。阿部氏は「トラックの運転席は非常に狭いと実感できたのではないか。トラックは道路の狭さと積載率向上のため、居住性を徹底的にそぎ落としている。健康確保のため、知恵を出して欲しい」と訴えた。 実習では2泊3日の長距離運行と、3日間の短距離運行の実際のチャート記録などを使用した。 サンコー人材部の佐藤淳子部長は、「産業教育で現場を公開する企業は少ないらしく、今年で2年目の学生訪問になる。医療系なので採用とは無縁かも知れないが、業界を知ってもらう意義は大きい。今後も継続したい」と話している。(佐々木健) 【写真=実際のタコグラフのチャート記録を使用した実習を受ける】