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西日本豪雨、大型車の交通量1~3割増 山陽―山陰 各路線通行止め解除

産業

2018/07/23 0:00

 国土交通省は、西日本豪雨の被災地への物流を確保するため、総力を挙げて対策を推進している。貨物自動車運送事業や第二種貨物利用運送事業の手続き運用の柔軟化、特殊車両通行許可の迅速化といった取り組みにより輸送力を確保。16日午前10時までに、民間物流事業者のトラック97台による支援物資輸送や政府のプッシュ型輸送が行われた。道路が復旧したこともあり、14日に通行止めが解除された山陽自動車道や中国自動車道、山陰自動車道の各路線を利用する大型車の交通量は、被災前に比べ1~3割増えている。(田中信也)  17日時点で、島根県から広島県への断面交通量は2万3千台となり、被災前(2017年7月の平均値に比べ3割増加。一方、島根県から岡山県への交通量は2万5千台と1割増えている。  また、山陽線の不通に伴う日本貨物鉄道(JR貨物)のトラック代行輸送を支援するため、代行輸送を開始した12日から17日までの延べ4日間、特殊車両通行許可申請のあった85台を即日許可した。なお、特車許可については10日から、目的地か出発地が岡山、広島、愛媛、福岡の各県の場合、最優先で処理し、可能な限り迅速に許可証を交付する特例措置を実施している。  高速道路の通行止めは、20日午前6時時点で東九州自動車道・椎田南インターチェンジ(IC)―豊前IC、広島呉道路・坂北IC―呉IC、尾道自動車道・甲奴ジャンクション(JCT)―吉舎ICの3路線3区間。一般道は国道2号、56号の7区間の通行止めが続いており、並行する山陽道・岩国IC―熊毛IC、京都縦貫自動車道と舞鶴若狭自動車道・綾部安国寺IC―舞鶴西IC、東海北陸自動車道・飛騨清見IC―白川郷ICで代替路(無料)措置を実施中だ。  緊急支援物資の輸送では、物流事業者の協力により11日までに岡山、広島、愛媛の各県に広域物資輸送拠点を設置している。このうち広島、愛媛は広域拠点を補完する拠点も設けている。第二種貨物利用運送事業については、輸送力を確保するため、利用運送の区域・区間などの追加を目的とした事業計画の変更認可申請の手続きの柔軟な運用を11日から実施している。  また、自治体からの要請に基づく物資輸送に対応するため、10日から貨物自動車運送事業者の手続き運用を柔軟化。物流審議官部門がリストアップしている広島15カ所、岡山17カ所、愛媛11カ所の民間物資拠点については、使用の可否を含めた情報を各県に連絡済みだ。  自治体の要請に基づく支援物資輸送は、19日午前10時時点で1府8県の21市町による延べ102件の要請に対し、民間物流事業者のトラック148台、海上保安庁の巡視艇34隻が実施。政府によるプッシュ型輸送は、民間事業者のトラックによる輸送依頼に対応しているほか、港湾局が保有する船舶12隻で離島を含む6市町に物資輸送と給水支援を行っている。  なお、中国、四国の両運輸局は岡山、広島、愛媛の一部地域で車検証の有効期間を延長したが、被害が大きく、いまだ検査を受けることが困難なため、有効期間が7日~8月5日の車両については8月6日まで再延長した。





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