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働き方改革/関係法施行、兼業運転者の解釈焦点 改善基準見直しへ小委 三六協定 新様式を定め

行政

2018/07/23 0:00

 働き方改革を推進するための関係法の施行に向け、厚生労働省は18日、労働政策審議会の分科会で、関係省令や指針の策定に向けた検討をスタートさせた。自動車運転業務への時間外労働の罰則付き上限規制は現行の改善基準告示の内容を踏襲し、「4輪以上の自動車の運転を主たる業務」としているケースを対象とするが、兼業ドライバーをどう解釈するかが焦点として浮上。また、衆参両院の付帯決議に基づき、改善基準告示の見直しの検討を速やかに進めるため、労政審の下にトラック、バス、タクシーのモード別に小委員会を設置する考えを示した。(田中信也)  18日の労働条件分科会(荒木尚志分科会長、東京大学大学院教授)で、労働基準法や労働安全衛生法など関係法施行の論点に関する議論を本格的に開始した。労基法関係の省令に関しては、時間外・休日労働に関する労使協定(三六(サブロク)協定)の新たな様式を定める方針を示した。  具体的には、有効期間や限度時間超えの労働者に対する健康・福祉を確保するための措置のほか、時間外労働を「1カ月100時間未満」「2~6カ月で月平均80時間未満」にするといった上限規定の要件、現行の労働時間の延長限度などに関する基準(限度基準告示)で定めている条件や手続き、割増賃金率について規定する。  また、自動車運転業務の対象範囲について、三六協定の適用除外要件や改善基準告示と同様、4輪以上の自動車の運転を主たる業務とする考え方を踏襲する。  安衛法関係の省令には、労働時間を把握するためタイムカードやパソコンなどで記録して3年間の保存を義務付けることや、労働者が希望した場合のファクス・電子メールでの送信、労働者側の過半数代表者は「使用者の意向によって選出された者としない」ことなどを盛り込む。  一方、三六協定締結の留意事項などを定める指針には、時間外労働を「月45時間かつ年360時間」の原則水準以内に抑制するよう努めることを明記。時間外労働の上限規制適用が改正労基法施行から5年間猶予される自動車運転業務、建設業の従事者についても、参院の付帯決議を踏まえ、同様に扱うこととする。  また、特例として認められる上限時間内(年間で一般則720時間、自動車運転業務960時間)でも、労働者への安全配慮義務を負うことを規定。更に、参院の付帯決議に対応し、脳・心臓疾患の発症前1カ月の時間外・休日労働がおおむね平均100時間超、2~6カ月で月平均80時間超の場合に「発症の関連性が高いことに留意」するよう求める。  自動車運転業務で「4輪以上の自動車の運転を主たる業務」としているケースを対象範囲とすることについて、世永正伸委員(運輸労連副委員長)は「『主たる』の解釈を明確化すべき」と主張。  営業や管理業務との兼務のほか、「宅配業務の主たる業務は(運転ではなく)集配」と指摘した上で、兼任ドライバーの扱いを検討するよう求めた。また、「前回の告示改正の際は、モード別に部会を設置した」として、今回の見直しに向けた検討体制について質問した。  対象範囲について、厚労省は「業務の実態をよくみて判断し、事例ごとに範囲内か否かの妥当性を説明できるようにしたい」(労働基準局労働条件政策課)との見解を述べた。  検討体制に関しては、藤枝茂労働条件政策課長が「国会審議で大臣(加藤勝信厚労相)が『告示の見直しは5年を待たず速やかに対応する』と答弁しており、省令を整えた後、国土交通省や関係労使と調整の上、労政審の下に小委員会を設けることを考えている」と説明した。 【写真=自動車運転業務の対象範囲は「4輪以上の自動車の運転を主たる業務」とすることを踏襲】





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