物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

備南自校、運転者マッチング開始 物流企業 内定者に奨学金 求職者情報を閲覧可能

産業

2018/07/19 0:00

 備南自動車学校(井上道信社長、広島県福山市)は8月1日、新人ドライバーと物流企業を結び付けるマッチングサイト「ドライバードラフト会議」の運営を始める。同校の合宿免許でトラックドライバーに必要な6資格を取得した卒業生を物流企業に就職斡旋するもの。登録する物流企業は、資格の取得費用を奨学金として内定者に支給する仕組み。ドライバー経験者でなく、自動車学校として未経験者をゼロから育成、紹介するのが特長。こうしたワンストップサービスを自動車学校が手掛けるのは、全国的に珍しい。(江藤和博)  物流企業はまず、企業概要や仕事内容、勤務時間などをウェブサイトに登録。奨学金支給は絶対条件ではないが、その有無や金額も記入する。  登録すれば、エントリーした求職者全員の情報を閲覧可能で、条件に合う求職者をスカウトできる。スカウトされた求職者は備南自校に入校して資格を取得し、物流企業は入社するまでの間に備南自校を通して奨学金を支給する。  備南自動車学校は2016年8月、校内に合宿寮「ビナン物流アカデミー」を建設。大型・中型・準中型自動車免許に加えてフォークリフト、玉掛け、エコドライブ講習、運行管理者基礎講習、初任診断の5講座を受講して6資格を取得できる合宿講座(大型コースは最短12日で卒業)を運営している。井上社長は「基本的なモノの考え方なども教育し、付加価値を高めた人材を紹介していきたい」としている。  ターゲットの求職者は、一人親家庭の親子や不本意非正規労働者など、経済的に恵まれないが意欲のある若者を想定。また、自衛隊援護協会(上滝守理事長)の地方支部に働き掛けて退職自衛官も募り、登録求職者を増やしていく。  企業登録やウェブサイトへの掲載などは無料。備南自校に支払うのは紹介手数料のみで、内定者1人15万円(税別)。成功報酬型で、内定者が入社意思を書面で示したにもかかわらず入社しなかった場合は、支払う必要が無い。また、内定者が自己都合によって3カ月以内に退社した場合は、備南自校がその期間に応じて運送会社に返還する。  備南自校では今後、全国の教習所との提携を拡大し、最終的に年間3千人の紹介実績を目指す。  井上社長は「求職者、物流企業をサポートするだけでなく、少子化で経営の厳しい自動車学校の活性化、ドライバー不足で物流が停滞する一般社会への貢献につなげ、〝4方良し〟を実現したい。また、将来的には東南アジアで活躍する物流のリーダーを育成し、邦人企業のロジスティクスを支えたい」としている。





本紙ピックアップ

火曜リポート/業務前自動点呼「本格実施」、機器認定要領の認識にズレ

 国土交通省は業務前自動点呼の本格実施に向け、機器メーカーの申請を受け付けているが、当初の想定よりスタートが遅れている。6月に公開した機器認定要領に関する国交省とメーカーの認識のズレが原因とみられるが、間もなく初の機器認…

システム4者「求車」減少傾向、荷動き落ち込み裏付け?

 求荷求車システムを運営している日本貨物運送協同組合連合会(御手洗安会長)のWebKIT事業など全国4グループ(日本ローカルネットワークシステム協組連合会、トラボックス、トランコム)の最近の件数動向を見ると、荷物情報(求…

朝日物流、W連結トラで共配開始

 新潟-関東で25㍍ダブル連結トラックによる共同配送がスタートした。ブルボンと岩塚製菓の商品を同時に運ぶもので、輸送を担当する朝日物流(髙橋正男社長、新潟県村上市)は週2、3回の運行を計画。複数メーカーの製品を積載する連…

熊交G/今期、売上高5%増の145億円

 熊本交通運輸(住永富司社長、熊本県益城町)を中核に運輸6社で構成する熊交グループは、新規の物流拠点開設、倉庫事業の拡充・強化、中継拠点機能を併設した物流拠点の開設を通し、2026年3月期の連結売上高を前期比5%増の14…

オススメ記事

火曜リポート/業務前自動点呼「本格実施」、機器認定要領の認識にズレ

 国土交通省は業務前自動点呼の本格実施に向け、機器メーカーの申請を受け付けているが、当初の想定よりスタートが遅れている。6月に公開した機器認定要領に関する国交省とメーカーの認識のズレが原因とみられるが、間もなく初の機器認…

システム4者「求車」減少傾向、荷動き落ち込み裏付け?

 求荷求車システムを運営している日本貨物運送協同組合連合会(御手洗安会長)のWebKIT事業など全国4グループ(日本ローカルネットワークシステム協組連合会、トラボックス、トランコム)の最近の件数動向を見ると、荷物情報(求…

朝日物流、W連結トラで共配開始

 新潟-関東で25㍍ダブル連結トラックによる共同配送がスタートした。ブルボンと岩塚製菓の商品を同時に運ぶもので、輸送を担当する朝日物流(髙橋正男社長、新潟県村上市)は週2、3回の運行を計画。複数メーカーの製品を積載する連…

熊交G/今期、売上高5%増の145億円

 熊本交通運輸(住永富司社長、熊本県益城町)を中核に運輸6社で構成する熊交グループは、新規の物流拠点開設、倉庫事業の拡充・強化、中継拠点機能を併設した物流拠点の開設を通し、2026年3月期の連結売上高を前期比5%増の14…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap