FASグループ、中国地方への共配強化 自ら荷物創り出す立場に
物流企業
2018/07/16 0:00
【香川】住宅関連の物流や建設業務を手掛けるエフエーエス(FAS、内浪博文社長、香川県まんのう町)は、グループ会社の戎急配(同社長、岡山県瀬戸内市)との連携強化により四国のメーカーの共同配送を拡充している。戎急配の津山営業所(津山市)が立地する津山総合流通センターで7月末までに仕分け場(約3630平方メートル)を造成。津山や東備地区など中国地方への共配を強化する。 また、物流・建設・リユース(リサイクル)事業を一環して請け負う従来のビジネスモデルを更に進化させ、エクステリア事業で建設積算業務までカバーしており、サービスの付加価値をより高めてFASブランドを確立していく。 FASは17年7月に本社に共配の拠点として倉庫(平屋建て、床面積約720平方メートル)を建設。資材メーカー5社、ハウスメーカー4社、賃貸経営受託会社1社が共配に加わり、事業の幅は確実に広がっている。 戎急配の仕分け場は、この本社倉庫と連携し、中国地方の共配を強化するのが狙いで、上屋も建設する計画。中国地区への配送を苦手とする四国のメーカーは多く、大型車による幹線輸送を広げ、今後は島根・鳥取・広島の各県など中国地区を網羅していく。また、3年後をメドに瀬戸内市に床面積1320平方メートル程度の倉庫を新設するほか、本社の周辺などにも倉庫を増設する構想だ。 戎急配は2015年10月の子会社化から約3年経過。特別積合せ業者8社を主力荷主とするが、内浪社長は「FASの建材物流とうまくかみ合い、M&A(合併・買収)の相乗効果が出ている。社員の意識も変わってきた」と話す。 一方、積算業務は、図面や仕様書を基に工事に必要な人材、材料などを算出する仕事。物流の前段階となる発注から関わるため、自ら荷物を創り出す立場に立て、業務を一括受注できるのが強みだ。FASでは現在、積算のスタッフを2人抱えており、これから増員していく方針。 FASは増収増益を続け、18年3月期の売上高は13億5千万円。3年後には単体で20億円、グループ連結で30億円を目指す。(江藤和博) 【写真=17年7月に本社に共配の拠点として倉庫を建設】