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国を挙げ対応、西日本豪雨被災地へプッシュ型輸送 岡山など3県むけ 食料品やクーラー

行政

2018/07/16 0:00

 西日本広域を襲った豪雨が甚大(じんだい)な人的被害をもたらしたことを受け、被災規模が特に大きい岡山、広島、愛媛の各県に対し、水害では異例の緊急支援物資のプッシュ型輸送を実施するなど、国を挙げた救援活動が進められている。インフラの被害も深刻で、高速道路、国道といった幹線道路が通行止めなどにより物流の大動脈が寸断され、いまだ完全復旧の見通しが立っていない。こうした中、目的地・出発地が岡山、広島、愛媛、福岡となっている特殊車両通行許可を最優先で処理し、許可証を交付するといった特例措置を講じている。=1面参照(田中信也)  西日本広域にわたった豪雨の被害が徐々に明らかになってきた。消防庁によると、12日午後時点で死者200人、心肺停止1人、行方不明者21人となっており、水害では平成に入って最悪の被害。死者・行方不明者が発生したのも13府県に上っている。  政府は8日、熊本地震以来となる非常災害対策本部を設置し、国を挙げた災害応急対策、被災者の生活支援対策を安倍晋三首相が指示した。これを受け、国土交通省も同日、同省非常災害対策本部を立ち上げ、12日までに4回にわたり開催。第4回会合で石井啓一国交相は対策の進捗(しんちょく)を報告し、「現場力を最大限に発揮し、対策に万全を期して欲しい」と指示した。  また、道路や鉄道の寸断による物流への影響が懸念されることを受け、9日に被災者生活支援チームを設置。被災者への住居の提供や、支援物資の円滑輸送にも組織的に取り組んでいる。  中国地方の東西方向の高速道路は、山陽自動車道と中国自動車道の通行止めに伴い、山陰自動車道へのう回を余儀なくされていたが、9日午前に中国道が全線復旧し、山陽道の代替路として機能。一方、山陽道は午前10時から緊急車両や救援物資の輸送車両に限り通行が可能となっていたが、13日時点で、広島インターチェンジ(IC)―河内ICの通行止めが14日に解除されて全線復旧する見通しとなっている。  このほか、10日に北九州高速道路4号線、11日に九州自動車道・門司IC―小倉東IC、12日には尾道自動車道・尾道北IC―世羅IC、13日に東海北陸自動車道・荘川IC―飛騨清見IC、高知自動車道・川之江東IC―大豊ICの通行止めを解除。通行止めが続いていた広島県内の一般国道では、国道2号が21日をメドに全て解除される見込みだ。  また、被災地への物流を確保するため、特殊車両通行許可を申請する際、目的地か出発地が岡山、広島、愛媛、福岡の各県の場合、最優先で処理を行い、可能な限り迅速に許可証を交付する特例措置を10日から実施している。更に、同日に全日本トラック協会に対し、被災地自治体への物資輸送を最大限確保するため、傘下会員事業者への周知徹底を要請する通達を自動車局長名で発出。これを受け、全ト協は都道府県トラック協会に協力を求めた。  支援物資の輸送については、災害対策基本法に基づく指定公共機関である日本通運、ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)、佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)、西濃運輸(神谷正博社長、岐阜県大垣市)、福山通運、全ト協に対し、支援物資輸送の要請があった場合に備えるよう6日に指示した。   更に、内閣府は10日、「緊急物資調達・輸送チーム」を設置する、と発表。岡山、広島、愛媛の各県を中心に、人命に関わる必需品(水、食料、クーラー、仮設トイレ)のプッシュ型支援を1週間程度、実施することを決定した。これまでに岡山県倉敷市、矢掛町、広島県熊野町といった被災地に、食料品やクーラーなどを輸送している。  港湾は、国際戦略港湾の神戸港、国際拠点港湾の北九州、水島港など計22港で被害が確認。このうち北九州、水島、鳥取港では港内の漂流物を回収した。  経済産業省もライフラインやサプライチェーン(SC、供給網)の被害・対応状況を逐次発表している。道路の通行止めで配送が遅延している広島県呉市のサービスステーション(SS)は復旧が進み、10・11日の重点的な配送により、多くのSSで営業を再開。12日には、24台のタンクローリーで平常時の2倍の石油製品を輸送し、在庫不足は解消した。  コンビニエンスストアとスーパーは13日午前5時時点で、鉄道の運休や住民の避難指示により75店舗が営業休止。ただし、山陽道での緊急物資輸送車両の通行措置により、徐々に物資の供給が復旧している。また、あるコンビニから商品不足の連絡を受け、11日に海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」がトラックを輸送した。 【写真=石井国交相は同省非常災害対策本部で災害対策の進捗を報告】





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