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日本郵便など、郵便・物流業務全体を変革 スタートアップ企業と協業

物流企業

2018/07/12 0:00

 日本郵便(横山邦男社長、東京都千代田区)とベンチャーキャピタルのサムライインキュベート(榊原健太郎社長、品川区)は5日、スタートアップ企業からアイデアを募り、協業を進めるオープンイノベーションプログラムの募集を開始した。10月上旬に採択企業を決定する。(田中信也)  日本郵便初のオープンイノベーションプログラムとして実施した2017年度に続き、これからの時代に応じた郵便・物流を提供することを目的に、事業創出と技術開発の両面で斬新なアイデアを持つスタートアップ企業を募集。採択企業とは、日本郵便が保有する郵便局や配送車両、郵便ポストなどのネットワークを活用し、共同実験に取り組み、早期の実用化を目指す。  「郵便・物流のバリューチェーン(価値の連鎖)全体をテクノロジーで変革する」をメインテーマに掲げた。前回はラストワンマイルのみだったが、今回は郵便・荷物の引き受けから配達まで一貫した業務を対象に、先進的なテクノロジーによって最適な形に変革していく。  個別テーマとして、①物流拠点のオペレーションの自動化・見える化②郵便配達エリアの最適化と、ポスト内の見える化③郵便局間の運送便ダイヤの最適化④国際郵便などのオペレーションの効率化⑤郵便・物流のリソースを活用した新サービス――を設定。  具体例として、オペレーションの自動化・見える化では、物流拠点(地域区分局)での荷物の形状や質量の自動認識、荷物の自動積み下ろしの実現について提示。また、荷物や車両に関する情報や拠点への到着時間、受け取る局側のトラック発着スペースを踏まえた運送便ダイヤの最適化を挙げている。  8月19日まで提案を募り、1~3次にわたる審査を経て、10月上旬に採択企業(4社)を決定する。その後、日本郵便、サムライインキュベート、外部のメンターの助言を得て、事業化に向けた検討や実証実験に取り組み、19年2月上旬に開催する「DemoDay」で成果を発表する。  5日、横山、榊原両社長が公募開始に当たって記者会見を行った。横山氏は「荷物の急増を受け、日本郵便では郵便から物流へのシフトを進めているが、変化する顧客のニーズに対応していかねば生き残れない」との危機意識を踏まえ、「企業価値を高める魅力ある提案が出てくるものと期待し、大変わくわくしている」と述べた。榊原氏も「今回は物流の業務全体が対象であり、物流企業の革新を促すような大きな成果を期待している」とコメントした。 【写真=日本郵便の横山社長(左)と握手するサムライインキュベートの榊原社長】





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