「TPP11関連法」成立 付帯決議 国益反す合意拒否
行政
2018/07/12 0:00
米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)の新協定「TPP11」の締結を受けた「TPP11関連法」が6月29日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。ただ、農産物の輸入増加による生産農家への影響を懸念し、多くの野党が反対の姿勢を崩さなかった。 TPP11では、トランプ政権の発足で離脱した米国を含む当初の協定から、少額の急送便の関税撤廃など20項目を凍結。これを踏まえ、米国を含めたTPP12協定の締結を前提としていた関連法を改正した。 ただ、立憲民主、国民民主などの主要野党は農産物の大幅な輸入増による国内農業への影響や、日米間の貿易交渉が不利になるとの観点から協定を批准することになる改正法に反対。採決では賛成165票に対し、反対70票が投じられた。 参院本会議では大島九州男氏(国民民主、比例)が反対を表明した上で「TPP11では、貨物が検疫所に到着してからの引き取り許可が48時間以内に緩和されている」ことを指摘し、「このような状況で輸入が増大すれば、食の安全が危険にさらされることになる」と警鐘を鳴らした。 なお、6月29日の参院内閣委員会(柘植芳文委員長) では付帯決議が採択され、TPP協定の付属書で規定する発効7年後の再協議で「日本の国益に反するような合意は一切行わない」こと、米国との経済対話やFFR(日米の新通商対話)で「TPPの合意水準を上回る米国からの要求は断固として拒絶する」ことなどが盛り込まれた。(田中信也) 【写真=与党など賛成多数で可決】