国交省、加工食品の物流効率化へ検討会 SC全体で課題洗い出し 「労働環境改善」急ぐ
行政
2018/07/09 0:00
国土交通省は6月29日、加工食品の物流効率化を目指す検討会を立ち上げた。加工食品はドライバーの荷待ち時間が発生しやすいことなどを受け、サプライチェーン(SC、供給網)全体で課題を洗い出し、対策を打ち出す。国交省は、加工食品以外の輸送品目でも検討会を設ける方針で、特性に応じた取り組みを通じてドライバーの労働環境改善を急ぐ。(土屋太朗) 同日、加工食品物流における生産性向上およびトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会(矢野裕児座長、流通経済大学教授)の初会合を開き、加工食品物流の現状などを説明した。 同省が2017年7月に実施した、荷主都合による30分以上の荷待ち時間の調査では、3892件の回答のうち、輸送品目別で加工食品が398件と最多。また、厚生労働省との協議会で実施したパイロット事業では、長い荷待ち時間に加え、パレット規格が統一されていないことや、メーカーとトラック事業者の二重検品の発生といった課題も挙げられている。 会合では荷主、卸、小売り、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業者を含めた物流事業者など、加工食品のSCを構成する関係者が出席。行政からは厚労省、農林水産省、経済産業省も加わった。 今後、会合での議論に加え、アンケートや物流センターの実態調査なども視野に、加工食品物流の課題を把握。その上で実証実験を行い、19年3月までに成果を取りまとめる。 なお、荷待ち時間調査の品目別件数では、加工食品に続き、建築・建設用金属品が350件、紙・パルプ339件、飲料・酒326件、生鮮食品は281件だった。国交省は今後、こうした上位の品目についても、それぞれ検討を始める考え。品目ごとに課題を整理し、対策につなげていくことで、より実効性の高い、ドライバーの働き方改革を実現する。 【写真=国交省は輸送品目ごとに検討会を設ける方針】