滋賀県/物流分野の人材育成、運転者訓練生を募集 事業者とマッチング計画
行政
2018/07/05 0:00
滋賀県は8月上旬から中旬をメドに、滋賀の産業を支える人づくり事業(物流分野の人材育成事業)の一環として、社会人基礎訓練・フォークリフト講習を実施する。大型車の運転免許取得を支援したり、事業所の見学会を行ったりしてトラックドライバー職について理解を深める。更に、事業者とのマッチングを経て、就職に結び付ける。県は2017年度から取り組んでおり、18年度も運送会社及び倉庫会社に訓練生の受け入れを依頼する。(落合涼二) 6月22日開かれた滋賀県トラック協会(田中亨会長)の理事会に、県商工観光労働部労働雇用政策課の担当者が出席し、今後のスケジュールを説明した。 トラックドライバーの育成を目的に、年度内に2回、職業訓練及び事業所訓練・マッチングを計画する。定員はそれぞれ10人で、1回目は湖北もしくは湖東地域、2回目が湖南地域を対象に募集する。 訓練期間は3カ月で、最初の1カ月は社会人基礎訓練とフォークリフト安全運転講習に加え、トラックドライバー職について理解を深め、就職意欲を高めるような研修を企画する。その後の1カ月で、大型トラック運転免許の取得を支援するほか、事業所見学、訓練生と事業所とのマッチングを実施。マッチングできたら1カ月の実習に臨む――というスケジュールとなる。 8月上旬から中旬のスタートに向け、6月中旬から訓練生の募集を開始。2回目の募集は9月中旬ごろを予定し、19年1月末の実習終了を予定する。 訓練生は人材派遣会社を通じ、紹介予定派遣の形式をとる。県が負担する訓練生の時給については、880円から千円(県の最低賃金は813円)に引き上げる。 また、募集期間を1カ月から1カ月半に延長。ホームページだけでなく情報誌、県広報誌、新聞折り込みチラシも活用し、幅広く呼び掛ける。高校卒業後の早期離職者に関心を持ってもらうため、県教育委員会及び県内高校関係者に協力を求める方針だ。児童養護施設退所者支援のNPO(非営利組織)法人、自衛隊地方協力本部にも働き掛け、訓練生確保に努める。 物流分野の人材育成については、倉庫業務訓練も実施する。定員は1回当たり5人で、訓練期間が2カ月半。事業所見学・マッチング期間が半月と短い以外は、トラックドライバーと同じスケジュールを組んでいる。 滋ト協の6月22日の理事会で、出席した県担当者は「ハローワーク頼みにならずに、独自に足を使い訓練生を確保したい。事業を通じて十分に育成ができると楽観視してはいないものの、一人でも多くのドライバーを育てられるよう最大限努力するので、協力をお願いしたい」と呼び掛けた。 田中会長は「各支部長は7、8月の例会で広報してもらいたい。17年度はトラック協会にとっても初の試みだった。予定している20人を集めるため、可能な限り協力していきたい」と述べた。 【写真=県は18年度も運送会社及び倉庫会社に訓練生の受け入れを依頼】