秋田港、コンテナ船岸壁を新設 フェリー大型化に対応 東南アジアむけ週2便めざす
産業
2018/07/02 0:00
秋田県は秋田港の物流機能を強化する。コンテナ船用の岸壁を新たに設けるとともに、ヤードを拡張。段ボール原紙の輸出拡大を図り、2030年代に週2便の東南アジア航路の開設を目指す。取扱量も11万5千TEU(20フィートコンテナ換算、17年は7万3千TEU)に増やす。併せて、フェリーの大型化に対応して岸壁の改良も進める。(土屋太朗) 6月27日、国土交通省の交通政策審議会港湾分科会(小林潔司分科会長、京都大学経営管理大学院教授)で、同港の港湾計画の改定について審議。諮問した国交相に対し「適当」と答申した。 同港は「外港地区」「飯島地区」「本港地区」など六つの地区で構成。物流拠点として機能しており、後背地に立地する製紙工場や木材関連工場から、国内外に製品が出荷されている。また、中国、韓国とのコンテナ航路は週3便、内航フェリー航路も週12便が、それぞれ就航している。 海外企業の、東南アジアへの段ボール工場建設を背景に、後背地の製紙工場が段ボール原紙の輸出強化を計画。これに対応し、外港地区に延長230メートル、水深12メートルの岸壁を設け、2バース化を進める。ヤードも5万6千平方メートル広げ、既存ヤードと合わせ23万6千平方メートルに拡張。将来的に、東南アジア航路の週2便の開設を目指すとともに、現行で週1便の韓国航路も週2便に増やす。 また、フェリーの大型化を見込み、本港地区のフェリー岸壁を延長270メートル(現在は260メートル)、水深9メートル(8メートル)に改良し、耐震強化岸壁にすることで防災機能も強化する。同地区はセメントや石灰石の貨物船も利用しており、他地区からの貨物を集約させて効率化を図るとともに、2バース化し、水深も9メートル(7.5メートル)にする。 目標年の30年代に、全体の貨物取扱量を1448万トン(16年は781万トン)に伸ばしたい考え。このうち石炭の取り扱いは461万トン(12万8千トン)を見込む。 【写真=国交省の分科会で港湾計画を審議】