物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

日新、日中欧で複合一貫輸送へ 同一コンテナ使用

物流企業

2018/06/28 0:00

 日新は、日本―中国―欧州の複合一貫輸送サービスに乗り出す。横浜港から中国の江蘇省連雲港までの海上輸送後、鉄道でユーラシア大陸を横断、ドイツのハンブルクまで27日間で運ぶ。日本から欧州まで同一のコンテナで輸送するのは同社では初めて。20日、試験的に事業を始め、早ければ9月にも商品化する。航空、海上に次ぐ「第3の輸送」として展開し、国際物流を加速させる。  日新では1965年から日欧間の国際鉄道輸送を始め、現在では中国―欧州の鉄道輸送も手掛けるなど、実績を積んでいる。ただ、通関の関係などで同一コンテナでの輸送は行っていなかった。  今回、中国の物流企業シノトランスの日本法人、シノトランスジャパンと連携。同社が中国の鉄道会社、CRCT社と業務提携契約を結んだことを受け、新たなルートの開拓につながり、同一コンテナによる複合一貫輸送が実現した。  まずは横浜港から中国・連雲港まで7日間で輸送。同港からドイツ・ハンブルクまで20日程度をかけて鉄道で運ぶ。通常、海上輸送だけでは40日前後かかるが、鉄道と組み合わせることで1カ月以内となり、時間短縮が図れる。更に、航空輸送に比べ、コスト削減にもつながる。  また、CRCT社のコンテナを日本で利用するのは日新が初めて。ハンブルクの駅をはじめ、CRCT社と提携する欧州主要駅のコンテナデポを利用できるようになるため、従来の鉄道輸送に比べ利便性が向上する。  まずは40フィートコンテナ1個を使い、試験輸送を実施。温度や湿度などを調べた上で、年内の商品化を目指す。自動車部品や大型家電など付加価値の高い貨物を中心に、年50~100個のコンテナを取り扱いたい考え。ハンブルクに到着した後は、現地のエリア配送も手掛けていく。  20日、横浜港南本牧ふ頭(横浜市中区)で開いた記念式典で、日新の筒井雅洋社長が「長年にわたる鉄道輸送の実績はあるが、日本での船積みからそのまま欧州へ輸送できるようになり、大変意義深いものになった。鉄道沿線エリアへの経済効果も大きい」と強調。シノトランスジャパンの蒋紅寿社長は「幅広い選択肢を示していきたい」と述べ、式典後の会見で、横浜港以外の国内主要港でも展開する意向を示した。  日本―中国―欧州の複合一貫輸送に関して、他の日系物流企業では日本通運が5月に事業を開始。伊藤忠ロジスティクス(佐々和秀社長、東京都港区)も今年、仏の物流企業と組み、サービスの本格提供を始めている。(土屋太朗) 【写真=早ければ9月にも商品化を始める】





本紙ピックアップ

特定技能1号開始1年、大手~中小で採用進む

 自動車運送業分野特定技能1号評価試験が始まって1年が経過した。トラックは4304人が国内外で受験し、3054人が合格。大手、中堅に加え、中小規模の運送事業者が特定技能制度を活用して外国人ドライバーを採用する事例が各地で…

「危険運転致死傷罪」適用要件見直し、飲酒・速度超過に基準    

 法務省は、飲酒や大幅な速度オーバーなど悪質運転による交通事故を厳罰化するため、危険運転致死傷罪の適用要件として数値基準を盛り込んだ自動車運転死傷行為処罰法の改正案を明らかにした。9日、法制審議会の刑事法(危険運転による…

国交省/次期安全プラン、走行距離当たり件数を指標に

 国土交通省は、2026年度からスタートする次期事業用自動車総合安全プラン(26~30年度)の死者数、人身事故件数などの目標値について、適切に評価できるよう総走行距離当たりの件数を指標として用いる。目標設定対象の業態に関…

グリーン物流優良者表彰、ドラッグストア納品効率化         

 国土交通、経済産業の両省は8日、2025年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰の受賞者を決定した、と発表した。国交大臣表彰には、宅配拠点と物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用したドラッグストアの店…

オススメ記事

特定技能1号開始1年、大手~中小で採用進む

 自動車運送業分野特定技能1号評価試験が始まって1年が経過した。トラックは4304人が国内外で受験し、3054人が合格。大手、中堅に加え、中小規模の運送事業者が特定技能制度を活用して外国人ドライバーを採用する事例が各地で…

「危険運転致死傷罪」適用要件見直し、飲酒・速度超過に基準    

 法務省は、飲酒や大幅な速度オーバーなど悪質運転による交通事故を厳罰化するため、危険運転致死傷罪の適用要件として数値基準を盛り込んだ自動車運転死傷行為処罰法の改正案を明らかにした。9日、法制審議会の刑事法(危険運転による…

国交省/次期安全プラン、走行距離当たり件数を指標に

 国土交通省は、2026年度からスタートする次期事業用自動車総合安全プラン(26~30年度)の死者数、人身事故件数などの目標値について、適切に評価できるよう総走行距離当たりの件数を指標として用いる。目標設定対象の業態に関…

グリーン物流優良者表彰、ドラッグストア納品効率化         

 国土交通、経済産業の両省は8日、2025年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰の受賞者を決定した、と発表した。国交大臣表彰には、宅配拠点と物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用したドラッグストアの店…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap