ヤマラク運輸、ITで荷役時間削減 23年度メド 長時間労働を是正 全運行 高速利用に移行
物流企業
2018/06/25 0:00
【山形】ヤマラク運輸(山口長一社長、山形県白鷹町)は2018年度から、独自の働き方改革アクションプランに基づき、長時間労働の是正などを積極的に推進する。23年度までに時間外労働が年960時間を超えるドライバー「ゼロ」を目標として、18年度は情報システム刷新に取り組む。(黒田秀男) 同社は飼料や資材の搬送、集乳やミルク輸送、海コン輸送などを行っている。ドライバーは54人で、長距離輸送なども行っているため、労働時間が長くなるケースがある。また、働き方改革の関連では、17年8月に健康経営優良法人に認定され、18年2月には更新している。 アクションプランは、時間外労働が年960時間を超えるドライバーの比率を20年度から段階的に引き下げ、24年3月までに0%とする数値目標を設定した。審議中の改正労働基準法では、19年4月に施行され、トラック運送事業には5年の猶予後の24年4月から、時間外労働に罰則付きの上限規制が適用される。目標期限はこのスケジュールを見越して策定した。 目標達成に向けては、荷待ち・荷役時間の削減や情報化の推進、高速道路の利用、適正な運賃・料金の収受などに取り組む。 荷待ち・荷役時間の削減では、飼料工場の荷役時間の短縮を目指す。IT(情報技術)を活用し、カードなどを利用することで、担当者がいなくても24時間積み込める態勢を整備する。 高速道路の利用も促進する。現在は道路の混雑状況などを見ながら高速と一般道を使い分けているが、今後は全ての運行で高速利用へシフトしていく。 効率的な配車や適正な運賃・料金の収受にも力を入れる。その前提として18年度は情報システムの刷新に取り組む。クラウド対応のシステムで情報を一元化し、データベース化による業務の効率化を推進。運行計画や配車システムを刷新し、無駄の無い運行計画・配車を目指す。また、データベース化により、適正原価を把握し、荷主との交渉に生かしていく。 このほか、中継輸送やコンテナラウンドユースの促進、更には時間短縮を踏まえて増員や女性・高齢者の活用などにも力を入れていく。 同社では「情報化が遅れている。システムを刷新し、業務の効率化を推進したい。1日でも早く、働きやすい労働環境をつくりたい」としている。 【写真=同社は17年8月に健康経営優良法人に認定され、18年2月に更新されている】