日鉄住金物流君津、VR訓練で労災防止 リフト事故など体験
物流企業
2018/06/25 0:00
日鉄住金物流君津(瀧文男社長、千葉県君津市)は、VR(仮想現実)訓練シミュレーションを活用し、高所からの転落やフォークリフトの巻き込み事故などの労働災害防止を図っている。自分の身に実際に起きているかのような体験をすることで、危険感受性を向上。視聴時には並行して気付いたことや留意点、ルールの再確認などを安全専任者との対話型で教育している。(井内亨) VR訓練シミュレーションは三徳商事(延山憲三社長、大阪市西区」が開発・販売する「RiMM」。日鉄住金物流君津は、日々の安全活動や年1回の安全センターでの体験型研修などを行っているが、更なる災害防止を目指すため新たな取り組みを模索し、17年8月に導入した。 現在は、①高所転落②感電③フォークリフト事故――を体験できる。フォークリフト事故では、バック走行時に作業員を巻き込む場面と急ブレーキで荷物が崩れ落ちて作業員が下敷きになる場面で、それぞれ運転者、被害者、第三者の目線で体感できる。 シミュレーションは安全専任者とマンツーマンで、3、4人を1~2時間程度かけて実施。1300人ほどの作業員のうち、830人(6月18日時点)が体験。導入から1年間で全作業員の受講を目指し、年1回のシミュレーション教育を目標に掲げる。 今後、全社員をカバーできるよう、事故事例の追加やトラック運転教育、消火器の使用体験などコンテンツの拡充を検討する。 安全推進部の伊藤篤志・安全衛生・防災課主査は「VRの可能性は無限大。事故事例を拡大するだけでなく、トラックやフォークリフトの運転研修など様々なことに活用できる」と説明。同社では、360度カメラを複数箇所に設置し、映像を指導教育や作業員同士の情報共有、疑似パトロール体験などに利用して安全と品質の向上を目指す取り組みを検討している。 【写真=教育を盛り込みながらVR映像を視聴】