政府/IT総合戦略、コンテナ蔵置 AIが計画 今年度実証 荷役時短&渋滞緩和 港湾物流の生産性向上
行政
2018/06/25 0:00
政府は2018年度から、港湾物流の最適化に向け、AI(人工知能)を活用したコンテナ蔵置計画の提案など、AIによるビッグデータの分析手法を構築するための実証を始める。最適な蔵置を行うことで、コンテナ船の大型化に伴って増えている荷役時間の削減、ターミナル周辺での渋滞緩和につなげる。また、19年度からは、国際コンテナ戦略港湾で遠隔操作RTG(タイヤ式開門型クレーン)の導入を促進。世界最高水準の生産性を持つAIターミナルを実現する。(辻本亮平) 15日に閣議決定した、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画に盛り込んだ。ヤード内荷役やゲート処理を効率化し、ターミナルの生産性を向上。今後の貿易促進を見据え、港湾の国際競争力を強化する。 また、20年までに、物流事業者・港湾管理者が保有する貿易手続きなどの情報をまとめて整理し、取り扱えるようにする仕組みを整備。港湾物流の行政手続きや公共インフラの維持・管理が、異なる主体によってまとまりなく進められてきた状況を是正し、生産性向上を図るとともに、災害への対応力も高める。セキュリティーを保ちながら、中小を含む全ての関連事業者が利用できる仕組みを目指す。 自動運転に関しては、20年度に新東名高速道路で隊列走行(後続車無人)を実現。トラック業界の運転者不足の解消を図る。このため、採算性や社会に受け入れられるかを踏まえた隊列走行の実証を、19年度から後続車有人で始める予定。また、4月に策定された自動運転に関する制度整備大綱を踏まえ、技術の進歩を念頭に、法制度見直しの検討を続ける。 このほか、ドローン(小型無人機)を使い、20年に都市部で安全な荷物配送を実現するため、18年度から第三者の所有地上空を飛行するための要件の検討を開始。目視外など高度な飛行に必要な技術の開発も進める。 【写真=貿易促進を見据え、港湾の国際競争力を強化する(イメージ写真)】