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JAさが、青果物流改革へ統括部署 出荷情報や仕分け業務 積載率高め効率化

産業

2018/06/21 0:00

 佐賀県農業協同組合(JAさが、大島信之組合長)は、トラック業界の人手不足やコンプライアンス(法令順守)の強化を受け、青果物の物流・販売事業の改革に乗り出した。6日、生産者の出荷情報や行先(市場)別の仕分け業務(分荷)を統括する部署「青果物コントロールセンター」を開設。トラックの積載率を高めて物流効率化を進める。保管・選果施設の整備や出荷規格の統一、出荷先の見直しにも取り組み、生産者の所得向上に結び付けていく。(上田慎二)  JAさが本所園芸部(佐賀市嘉瀬町)に設けた同センターでは、県内6地区でそれぞれ行われていた分荷業務を集約する。  果樹や野菜の全国市場への発送業務を行っていた各地区の分荷担当者計8人が同センターに異動。生産量の少ない「マイナー作物」を対象に、生産者や選果場の出荷情報をまとめる。分荷担当者間で出荷情報を共有し貨物をロット化。集荷の効率、長距離トラックの積載率を上げることで物流コストを抑え、ドライバーの拘束時間削減に寄与する。  現在、各エリアの出荷状況や集荷・幹線輸送のルートなどを調整中。7月から試験的に業務を開始し、8月初旬に本稼働させる。配車業務は物流課が担当。配車管理の新システムを導入し、帳票の電子化・共通化も進めていく。  6日の同センターの開所式で、JAさがの中村直己副組合長は「地元農業にとって遠隔の大消費地に向けた長距離輸送の効率化は大きな課題。皆さんと力を合わせて青果物輸送の集約を進めていきたい」と述べた。  また、集荷施設の整備では、佐賀市嘉瀬町にある定温貯蔵庫を改修し、「青果物コントロールセンター冷蔵保管施設」を7月5日から稼働させる。  建物は1階建てで、冷蔵庫はセ氏5度、15度、常温の3室(床面積は計1千平方メートル)を用意し、計108パレットを収容できる。通路や積み込みスペースにゆとりを持たせて安全面と作業性に配慮した。  アスパラガスなどのマイナー作物を一時保管し、関東、関西向けの長距離トラックに満載することで輸送コストを抑え、商品の競争力を高める。  改革ではこのほか、商品や梱包資材などの出荷規格の統一を進める。生産者にメリットが少ない出荷市場との取引を見直す。  一方、JAさがの販売方針を共有する市場や生産者の所得向上に貢献できる市場との連携を強化。市場の特性に応じ県産品を戦略的に売り込んでいく。  JAさがの1年間の物流コストは4億1千万円。輸送業務を担う各運送会社からは、その5%に当たる計2千万円の値上げを要請されているという。  このため、JAさがでは、18年度から3カ年計画で物流改革に取り組み、輸送の効率化を図る。同センターを中核拠点として販売戦略を再構築していく。 【写真=各地区の分荷担当者が集まり、出荷情報を共有】





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