東日本高速北海道支社、移動式防護柵を導入 車線切り替え渋滞緩和 高速道路で全国初
産業
2018/06/18 0:00
東日本高速道路北海道支社(大越良記支社長、札幌市厚別区)は、5月29日から7月12日まで、道央自動車道・恵庭インターチェンジ(IC)―北広島ICのうち、1.7キロの工事区間で交通量の多い時間帯に合わせて中央分離帯を移動させ、車線数を切り替える「ロードジッパーシステム」という移動式防護柵を導入している。工事による渋滞を緩和させる狙いがあり、高速道路での運用は全国で初めてだ。(岡杏奈) 高速道路各社が実施している高速道路の大規模更新・修繕事業「高速道路リニューアルプロジェクト」の一環で、老朽化した島松川橋(全長306メートル、上り線) の床版(しょうばん)取り替え工事を実施しており、これに伴う渋滞の緩和を図る。 車線数の切り替えは、工事に使われていない下り2車線と除雪用に広くしている路肩を使い、3車線を確保して中央の車線を交通量に合わせて変化させる。同区間では午前7時に上り線、午後6時に下り線が交通量のピークを迎えるため、月曜日から土曜日の正午に下り車線を、午前0時から上り車線をそれぞれ2車線切り替える。日曜日は切り替えを行わず、終日上り2車線下り1車線で運用する。 コンクリート製の防護柵は1個当たり680キロで、長さ1メートル、高さは8.10メートル、幅46センチ。これを1.7キロの規制区間に1700個使用。柵を切り替えるのはBTM(防護柵切り替え用車両)で、時速5~10キロで走行しながらブロックを移動させ、車線を切り替える。 同支社によると、輪厚スマートIC―恵庭ICの上下線の平均交通量は1日当たり4万200台(このうち大型車は5600台)。終日対面通行とした場合は、上下線ともに最大18キロの渋滞が発生するが、ロードジッパーシステムで車線数を切り替えることで、渋滞が9割削減できる見込み。 同支社の近藤光継構造技術課長は「導入によって平日の渋滞はゼロになる。新千歳空港へ向かう車がスムーズに走行できるよう車線運用したい。また、物珍しさからスピードを落とすドライバーもいるかも知れない。車間距離とスピードに注意して走行して欲しい」と話している。 【写真=BTMは、走行しながらブロックを移動させ、車線を切り替える】