JL連合会、求車求荷システムの手数料率「引き下げ」巡り議論白熱 収入減で退会を問題視
物流企業
2018/06/14 0:00
日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会(JL連合会、迫慎二会長)が8日開催した総会で、求車・求荷システムの組合間取引手数料の料率を巡って議論が白熱した。連合会では取引増加を図るため、会員にとって負担になる手数料の料率引き下げに向けて動いたが、求車求荷事業の収入減少により事務局の経費負担が大きくなった協組が増加。賦課金値上げなどの措置を講じられず、ローカル加入協組が減少したことを問題視する声が上がった。(佐々木健) 2018年度事業計画の議案の中で、19年度の料率決定のため、18年10月に会員向けアンケートを実施し、結果を踏まえて11月開催の連合会理事会で審議する方針を説明。この方針に対し、アンケート中止の緊急動議が出された。緊急動議の成立は定款上、議決権を持つ出席者の3分の2の賛成が必要だが、出席者77人のうち、緊急動議に賛成したのは46人だったため、否決された。 組合間取引手数料の料率は、16年度までは荷物の委託側のみ運賃の5%が求められていたが、17年度に委託側3%、受託側1%となり、18年度には委託側が2%に引き下げられた。 これに対し、「料率を5%に戻して欲しい」「5%、もしくは17年度の水準に戻すべき。運営に窮して協組合併の議論も出ている」「この問題は書面でいいので臨時総会で決定すべき」などの意見が出た。一方で、協組の運営状況によって様々な意見が噴出。更に、「5%は反対だが、手数料ゼロでもダメだ」との声も上がり、議論が続いた。 総会では、最大限の時間を割いて質疑に対応。質問に丁寧に対応していた迫会長は「連合会の理事は真剣に議論して今回の措置を決めた。組合員や各協組の理事長からは、料率ゼロという要望も多い。ただ、そうした声の中には取引手数料が本部収入になっているという誤解まである。しっかり理解していただいた上で、議論をお願いしたい」と説明。 最終的には、8月の理事長会議で料率に関するこれまでの議論を集約し、10月にアンケートを実施。11月に連合会理事会を開催する方針を決めた。 18年度は、ローカルネットの創立30年を迎えることから、19年2月に記念式典を開催する。予算は2億9391万円。 【写真=アンケート中止の緊急動議は否決】