佐川急便など、貨客混載で即日配送 関空―京都 手荷物をタクシーに 1日1便運行
物流企業
2018/06/11 0:00
佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)は4日、エムケイ(青木信明社長、同)、JALエービーシー(黒瀬久敏社長、東京都中央区)と共同で、関西国際空港(大阪府泉佐野市)―京都で貨客混載事業を活用した手荷物即日配送サービスをスタートさせた。(小菓史和) 関空を利用する外国人観光客の増加を背景に、佐川急便は京都、大阪の各駅や観光地などに宅配便のセンターを設置し、スーツケースや土産物といった手荷物輸送を展開。一方、エムケイは関空―京都に9人乗りの乗り合いタクシー「スカイゲイトシャトル」を運行、多い時で1日当たり千人が利用している。 両社は、関空で宅配や携帯電話のレンタルなどの事業を手掛けるJALエービーシーと提携。スカイゲイトシャトルの荷物スペースには、乗客のスーツケースなどを積載しても余裕があるため、これを活用して京都市の佐川急便のセンターまで配送を行う。 利用者は、空港のJALエービーシーのカウンターで荷物を預け、手ぶらで観光した後、京都市の佐川急便のセンターで荷物を受け取り、宿泊施設にチェックイン。帰りは、市内で荷物を預け、空港で受け取ることができる。荷物の受け付け締め切りは、いずれも午前11時を想定しており、当面、1日1便を運行。利用状況をみながら、増便も検討する。 同日、関空で開いた記者発表で、佐川急便の内田浩幸取締役は「インバウンド(訪日外国人)の増加で、宅配便需要が高まる一方、運送業界はドライバー不足が深刻で、業務効率化を進める必要がある。観光振興、業務効率化の両面に効果がある取り組みで、将来的には他の地域へも拡大したい」と述べた。 また、青木社長も「軽自動車を活用した貨物タクシーを運行したことがあり、貨客混載の構想は古くから持っていた。24時間、365日稼働しているタクシーがラストワンマイルを担うことができれば、宅配業界の人手不足や労働時間短縮にもつながる。今回のケースは試金石と考えている」と語った。 この後、JALエービーシーの柏葉長執行役員を交えテープカットし、第一便が出発した。 【写真=握手を交わす(左から)エムケイの青木社長、内田取締役、JALエービーシーの柏葉執行役員】