中越運送、新潟・上越に営業倉庫 物効法認定 荷物集約し積載率向上 手待ち時間約6割減少
物流企業
2018/06/07 0:00
中越運送(小林和男社長、新潟市中央区)が上越営業所(上越市)で建設を進めていた営業倉庫が完成、1日から稼働した。特定流通業務施設としても活用するもので、信越化学工業の物流子会社、直江津産業(梅沢宏社長、同)と共に申請し、5月16日付で改正物流総合効率化法(物効法)の計画認定を受けた。同施設の整備を伴う輸送網集約事例は、北陸信越運輸局管内では初めて。(河野元) 2万3500平方メートルの敷地に、鉄骨造り2階建て、延べ床面積5800平方メートルの倉庫を新設。冬季の気象条件を考慮し、全天候型の荷さばき場(720平方メートル)を併設させ、トラックが乗り入れて作業できるようにした。庫内には貨物用エレベーターと垂直搬送機を各1基、更に災害時の民間物流拠点としての利用も想定し、無線機や発電機を装備している。総投資額は7億円。 今までは複数のトラック事業者の車両が信越化学の直江津工場へ直接、原料を運び込んでいた。中越運送も運搬後は6キロほど離れた上越営業所へ空車で帰り、出来上がった製品の引き取りも空の状態で向かうケースが少なくなかった。また、荷受け時間が限られているため、非効率な面も見られた。これをいったん全て新倉庫に持ち込んで集約し、必要に応じて原料を工場へ届けるパターンに変更。工場からは製品も引き取ることができ、積載率の向上を図ることができた。 独自開発の倉庫管理システム(WMS) を駆使し、直江津産業とは生産や出荷の情報をデータ交換システムでやり取りして計画的な配車につなげる。上越営業所には特別積合せ事業のターミナルもあり、既に24時間体制を取っているめ、深夜や早朝を問わず貨物を受け入れられるのも大きなメリット。 この入庫から保管、出庫までの一貫輸送体制を構築することで、二酸化炭素(CO2)を0.93%削減し、ドライバーの手待ち時間は平均1時間から約6割減の25分になると試算した。 なお、新施設では主要荷主の信越化学だけでなく、近隣他社のニーズにも対応する。 1日に行われた開所式で、小林社長は「競争の厳しいこの業界で勝ち残るためには、元気ある荷主の仕事を請け負うことが重要になる。その十分なサービスを提供できるハードが整った。これから全員一丸となって中身の充実に努めて欲しい」と、上越営業所のスタッフに期待した。 【写真=全天候型の荷さばき場を併設】