勤務間インターバル、導入企業10%超めざす 厚労省20年までに 17年調査では1.4%
行政
2018/06/07 0:00
厚生労働省は過労死の防止に向け、終業から始業まで継続した休息期間を確保する「勤務間インターバル」について、導入企業の割合を2020年までに10%以上にする目標を設ける。今夏の閣議決定を目指す過労死防止の大綱に盛り込む。同省の17年調査によると、導入企業は1.4%にとどまる。一方、運輸・郵便業は6.6%と、業種別で最多となっている。 5月31日、過労死等防止対策推進協議会(岩村正彦会長、東京大学大学院教授)で、同省が新たな大綱の最終案を示した。 改定案では、新たに勤務間インターバルに関する目標値を設定。労働者30人以上の企業を対象として、導入の割合を10%に引き上げる。併せて、制度を知らない企業の割合を20%未満(17年は40.2%)に減らす。 17年調査では、導入企業が1.4%、導入予定の企業は5.1%にとどまる。ただ、業種別にみると、運輸・郵便業では導入企業が6.6%で1位。導入予定の企業も10.0%で、宿泊・飲食サービス業に次ぐ2位だった。大綱では、目標の達成に向け、制度を導入する企業への助成金や好事例の周知を進めていくことを明記する。 また、業種別に過労死の現状や対策も盛り込んでいる。トラック運送事業では、適正運賃の収受ができず、荷主都合の荷待ち時間がドライバーの長時間労働につながっている実態を指摘。事業者側の努力のみで解決することは困難であるため、荷主との取引関係の在り方を含め、改善を図る必要性を示している。(土屋太朗) 【写真=今夏の閣議決定を目指す過労死防止の大綱に盛り込む】