物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

矢崎エナジー・トラボックスなど、タイで求荷求車 AI活用サービス視野

産業

2018/05/31 0:00

 矢崎エナジーシステム(矢﨑航社長、東京都港区)、トラボックス(吉岡泰一郎社長、渋谷区)、タイの商用車向けテレマティクスサービス大手DTCエンタープライズ(トサポール・クナパムシリ社長、バンコク市)は6月から、タイで求荷求車サービスを開始する。AI(人工知能)を活用したサービスも視野に入れており、3社の強みを連携させてトラックの積載効率など生産性の向上を図る。(高橋朋宏)  第1弾として「求荷求車 単発サービス」「求荷求車 見積もりサービス」を開始する。  荷物情報と空きトラック情報をウェブ上でマッチングさせるサービスで、運賃のやり取りや荷物の破損・紛失などへの対処は、当事者に責任を持ってもらう。ただ、オプションで運賃保証サービスを提供する予定で、あいおいニッセイ同和損害保険(金杉恭三社長、渋谷区)と構築する。  利用料金は、運送会社が登録料、月額サービス料ともに1千バーツ(約3500円)で、荷主は両料金とも無料とする。初年度の会員数目標は3千社。6カ月間はお試し期間として無償提供する。  3社は9月21日に事業主体となるTR@MOVE(トラムーブ)を設立する。タイで事業を軌道に乗せ、ASEAN(東南アジア諸国連合)に広げる。  第2弾として12月21日の開始を予定するのは、データサーバー側で運送会社の業務条件に合った荷物情報を自動検索する「最適マッチングサービス」、荷物の位置情報などを荷主にリアルタイムで通知したり、業務条件よりも空車の解消を優先して荷物情報を自動検索する「GPS(全地球測位システム)連動マッチングサービス」。  「AIを活用した条件別新規需要予測と最適配送ルート支援サービス」では、既存の配送業務を加味した上で、新規荷物情報の提供などを行う。  5月21日に開いた会見で、矢﨑社長は「ASEAN各国が更に国際化を進めて経済を発展させるためには、物流の生産性や輸送品質の向上が不可欠だ。矢崎として、安全やエコドライブといった車両やドライバーの視点からの従来サービスに加え、情報サービスの領域に参入する必要性を感じていた」と説明。  また、「矢崎グループは現在、46カ国に進出しており、中でもタイでの歴史が一番古く、矢崎の総合力を生かせる。お世話になったタイに貢献したいという思いも根底にある。このビジネスモデルを通してASEANの安全、省エネ、環境保全、効率化に貢献できればこれ以上の喜びは無い」と話した。  吉岡社長は「トラボックスの仕組みがASEANでも役に立てるという思いと、新しいことに挑戦できることに大変魅力を感じ、協業に参加した」と述べた。  DTCエンタープライズのクナパムシリ社長は「近年、物流事業者の管理ニーズは多様化している。テレマティクスだけでなく、IoT(モノのインターネット)技術などを用いたより付加価値の高いソリューションを展開する」とあいさつ。同社によると、タイでの商用車向けテレマティクスサービスのシェアは70%だという。 【写真=業務提携を発表した(左から)DTC エンタープライズのクナパムシリ社長、矢﨑社長、トラボックスの吉岡社長】





本紙ピックアップ

相次ぐクマ被害、敷地出没や車両衝突

 クマの被害が後を絶たない。11月末時点の環境省の速報値で、2025年のクマによる人身被害が230件に達し、過去最高を記録した。敷地内への出没や車両との衝突など物流業界への影響も小さくない。修理費が高額に及ぶケースもある…

臨時国会閉会、暫定税率廃止法など成立

 第219回臨時国会が17日、閉会した。内閣提出法案は、2025年度補正予算案などを除くと、気象業務法及び水防法の一部改正案など11件が提出され、全て成立した。衆・参議員提出法案は、通常国会からの継続審議の法案を合わせて…

経産省「健康経営銘柄」、殿堂入り制度を創設

 経済産業省は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営がより評価されるよう、健康経営銘柄に複数回にわたり選定された企業を顕彰する「健康経営銘柄の殿堂入り制度(仮称)」を2026年度にも創設する。1…

公取委調べ/価格転嫁25年度、「7割以上」0.3㌽上昇

 公正取引委員会は15日、価格転嫁円滑化の取り組みに関する2025年度の特別調査の結果を公表し、トラック運送業などは多重委託構造が存在するため、元請けから下請けの同業者への価格転嫁が円滑に進んでいないと分析している。 受…

オススメ記事

相次ぐクマ被害、敷地出没や車両衝突

 クマの被害が後を絶たない。11月末時点の環境省の速報値で、2025年のクマによる人身被害が230件に達し、過去最高を記録した。敷地内への出没や車両との衝突など物流業界への影響も小さくない。修理費が高額に及ぶケースもある…

臨時国会閉会、暫定税率廃止法など成立

 第219回臨時国会が17日、閉会した。内閣提出法案は、2025年度補正予算案などを除くと、気象業務法及び水防法の一部改正案など11件が提出され、全て成立した。衆・参議員提出法案は、通常国会からの継続審議の法案を合わせて…

経産省「健康経営銘柄」、殿堂入り制度を創設

 経済産業省は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営がより評価されるよう、健康経営銘柄に複数回にわたり選定された企業を顕彰する「健康経営銘柄の殿堂入り制度(仮称)」を2026年度にも創設する。1…

公取委調べ/価格転嫁25年度、「7割以上」0.3㌽上昇

 公正取引委員会は15日、価格転嫁円滑化の取り組みに関する2025年度の特別調査の結果を公表し、トラック運送業などは多重委託構造が存在するため、元請けから下請けの同業者への価格転嫁が円滑に進んでいないと分析している。 受…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap