ニチレイロジ、国内外で投資拡大 アジアでネット強化 業務革新&働き方改革
物流企業
2018/05/24 0:00
ニチレイロジグループ本社(梅沢一彦社長、東京都中央区)は、事業基盤の更なる強化に向けて国内外での投資を拡大する。国内はセンターの新増設に取り組み、海外はアジアを基盤にネットワークを強化。先端技術を活用した業務革新や働き方改革推進の取り組みも加速させる。(沢田顕嗣) 梅沢社長が14日に開催した2017年度事業報告会で、3カ年の中期経営計画の最終年度となる19年3月期の重点施策について説明した。 国内は十勝DC(北海道音更町)の増設(冷蔵能力3910トン)を6月に実施するほか、那覇港総合物流センター(沖縄県那覇市)に設置する新拠点(1万1995トン)の営業を19年5月に開始。沖縄でのビジネスに本格参入することにより、成長が見込まれる低温物流市場の獲得を目指す。 更には、名古屋市港区に4階建ての新センター(3万620トン)を20年3月に稼働させる。新しいコンセプトを盛り込んだ今後のモデルセンターと位置付け、パレット自動倉庫、ケース自動倉庫、移動ラック、高速ソーターを導入。庫内作業のデジタル化に適した環境を整備する。 一方、海外は中国の現地企業と合弁会社を設立し、江蘇省でセンター事業を4月から開始。ASEAN(東南アジア諸国連合)地域では、タイに次いでマレーシアに進出する。現地の低温物流事業会社に出資し、冷蔵・冷凍倉庫と輸配送の両事業を6月から展開。タイでの事業とのシナジーを追求するとともに、ハラル物流への取り組みも視野に入れている。 業務革新ではトラック予約システム、タブレット(多機能携帯端末)検品、無人フォークリフト、庫内ラック化、フォークリフト車載端末の導入に向け実証実験を実施。19年3月期は12億円を投資し、3億円の効率化目標を掲げる。女性活躍推進も従業員満足度(ES)を向上させる施策の一環で、「咲カセル ロジ女フォーラム」などを通じて全社的な意識改革を促進していく。 19年3月期は、売上高が2千億円(前期比2.5%増)、営業利益は115億円(2.2%増)の増収増益を見込む。 梅沢氏は「新しいニチレイロジグループを見せられるよう努めていく。今後の成長ドライバーは海外と考えており、売り上げに占める海外事業の比率を18%から25%に引き上げていきたい」と説明。 併せて、「低温物流ナンバー1、食品物流ナンバー1の地位を確かなものにしていく。売り上げや設備の規模だけでなく、運営の先進性や革新性、サービスの卓越性など、定量と定性のいずれにおいてもナンバー1企業にしていきたい」と述べた。 【写真=無人フォークリフトの導入に向け実証実験】