セイノー、「全国翌日配送」構築へ 幹線便の定時運行追求 福通との共同事業拡大
物流企業
2018/05/24 0:00
セイノーホールディングスは、全国向け完全翌日配達「全国1DAYネットワーク」の構築を進めているが、この取り組みを更に充実させ、顧客満足度の向上を確実なものにしていく。計画では、輸送品質を上げるとともに、労働力不足に対応するため、運行便の定時出発・到着や、長距離便の鉄道コンテナ輸送を中心としたモーダルシフトを推進。2019年3月期は、輸送ネットワークの拡充などを中心に総額275億円を投資し、連結売上高6020億円(前期比1.0%増)達成を見込む。 全国1DAYネットワークは、18年3月期に東京―大阪での完全翌日配達体制が整った。今期は、周辺エリアを含めた関東―関西での完全翌日配達が可能な体制を構築し、20年3月期までには全国一円の翌日配達体制を整備したい考えだ。 このため、幹線運行便の定時出発・到着を基本とした「ダイヤグラム化」を徹底追求する。また、労働力不足への対応や輸送コスト圧縮などを図るため、全長25メートルの「ダブル連結トラック」の本格運用をはじめ、800キロ超の輸送距離となる場合の、鉄道コンテナ輸送を中心としたモーダルシフト化を進める。 中でも鉄道コンテナ輸送は、5月7日から大阪―仙台を毎日1往復する専用列車(カンガルーライナーSS60号)の運行を開始。最終的には、大型トラック60台分(1日当たり)をトラックから鉄道に切り替える。引き続き、現行の2倍程度となるトラック400台分(累計)の鉄道シフトを視野に入れる。 セイノーHDの前期の総取り扱い貨物量は、前の期比0.8%増、運賃単価は2.9%(1トン当たり)上昇した。今期はターミナル用地の確保や新店舗の開設などで、前期を上回る総額275億円を投資する。 18日に行われた決算説明会で、田口義隆社長は「適正運賃収受は、高品質な輸送サービスが提供されて初めて可能だ。今期は、特に下期以降、値上げ効果が一巡して厳しい経営環境に変わっていく。お客さま目線、輸送品質向上を最優先に、売上高6020億円を目指していきたい」と語った。(高木明)