デンソー、顔認識で脇見検知 既存車に後付け
産業
2018/05/24 0:00
デンソーは15日、ドライバーの顔の画像から、居眠りや脇見などの運転状態を推定し音声で警告する、後付け可能な「ドライバーステータスモニター」の販売を開始した。今夏にも自社の新型テレマティクス端末や富士通のデジタルタコグラフと連動させる。デジタコなどとの連動により、運転状態を運行管理者がリアルタイムで知ることができる。 トラックメーカー3社の新車には2014年からOEM(相手先ブランドによる生産)で14万台に導入。車齢が長いトラックでは、最新の安全補助装置の普及が進みにくく、後付けの開発を行った。 後付けのドライバーステータスモニター価格は、取り付け費用込みで1台10万円程度、年間の国内販売台数は5千台を見込んでいる。海外でも販売を行っていく。 カメラで顔の位置、向きなどを検知し、脇見、閉眼、体位、眠気を推定。それぞれの状態に合わせて音声で警告を発する。例えば、2秒程度以上の閉眼を検知すると居眠りと推定し警告する。時速30キロ以上で検知を開始させるなど、様々な設定も可能だ。 製品開発では17年から、フォトネイション(アイルランド)の顔画像認識技術などを活用し、検知精度を向上。マスクやサングラスなどで顔の一部を隠しても推定できるようにした。 居眠りなどが発生した際の画像はSDカードに記録する。警報回数や警報時のドライバーの表情などは安全運転教育に利用できる。 武内裕嗣常務役員は同日開いた会見で「バスやトラックの事故がなかなか減らない。ドライバーの眠気や疲れ度合いを検知し、安全な運転に結び付けてもらいたい」とあいさつ。 また、「特にスマートフォン(スマホ)を見ながらの運転が増えている。目線の動きなどを検知する精度を上げていかないといけない。これらを今後、ジェネレーション2として開発していく。更に非常に小さいタイプのジェネレーション3も開発する」と述べた。(高橋朋宏) 【写真=顔の向きなどを検知し警告を発する】