平和自工、新整備工場が稼働 連結状態セミトレ ジャッキアップOK 敷地&施設 広さ倍増
産業
2018/05/14 0:00
【群馬】平和自動車工業(深井俊光社長、群馬県伊勢崎市)は7日、本社機能を備える整備工場を稼働させた。指定工場(民間車検場)として運用する。旧施設(みどり市)の老朽化、狭あい化などがかねて課題となっており、移転・新築を決めた。(小瀬川厚) 3300平方メートルの敷地に、平屋建ての事務所を兼ねる整備工場は床面積1千平方メートルとなり、旧施設に比べ敷地、施設とも広さが倍増。連結状態のセミトレーラをジャッキアップできるラインを含め、大型車用ライン3台分を設けたほか、小型車3台、フォークリフト用の整備ライン(1台)も併設した。 整備士の労働環境改善や生産性、安全性の向上を目的に、腰をかがめずに交換用タイヤを手元に寄せることができる台車「ハイリフトドーリー」を8台導入。全ての照明をLED(発光ダイオード)化したほか、構内の各柱に補助照明を設置し、精密機械工場並の照度(1千ルクス)を確保している。各レーン間の幅を6メートルに設定し、ゆとりある作業スペースとした。ブレーキダストやエアフィルターの清掃時に微細なほこりを巻き上げるのを防ぐため、吸じん器も導入した。 深井社長は「施設の一新を機に、乗用車を中心とした個人ユーザーにも顧客層を広げたい。当面は法人ユーザーに勤務する従業員などとなるだろうが、若い子育て世代の取り込みを意識している。黒を基調とした外観や待合室をカフェ風にすることでイメージアップにも取り組んだ。将来的には24時間、365日の営業体制を検討する必要があるだろう」と話している。 平和自動車工業は1970年設立。大型車の整備・点検を中心に事業を展開し、早くからリビルドパーツ(再生部品)を積極的に取り入れることでユーザーの整備コスト低減などに努めてきた。2008年に石島運輸倉庫(石島久司社長、太田市)を中核企業とするアイ・リンクグループがM&A(合併・買収)により、平和自工をグループ入りさせた経緯を持つ。 【写真=黒を基調とした外観で若い子育て世代にもアピール】