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取引労働改善コンサル事業、全国17事業を計画 夏までに対象集団確定 指針を年度内改訂

行政

2018/05/03 0:00

 国土交通、厚生労働の両省が2018年度、トラック輸送の取引環境・労働時間改善に向け、全国で17のコンサルティング事業を計画していることが、4月27日までに分かった。夏ごろまでに対象集団を確定し、効果を検証。得られた成果は、16、17の両年度パイロット事業の好事例からなるガイドラインを年度内に改訂して盛り込み、周知・普及を図っていく方針だ。(田中信也)  コンサル事業は、16、17の両年度に全都道府県で取り組んだパイロット事業に引き続き、地方運輸局ごとに2件程度まで絞り込んで実施する。  事業の内容・対象集団は、6月ごろまでに各都道府県で順次開催する18年度第1回目の取引環境・労働時間改善地方協議会で確定する。実施する事業者数は、北海道1、東北2(実施する県は未定)、関東1(東京都)、北陸信越2(新潟、富山)、中部3(静岡、愛知、岐阜)、近畿2(大阪、和歌山)、中国2(広島、山口)、四国2(香川、徳島)、九州2(宮崎、鹿児島)の計17件となる見通しだ。  事業は、大きく①パイロット事業の中で新たに把握した課題の改善②パイロット事業でこれまでに取り組んだ課題の深掘り――に分け、2件以上選定するブロックでは原則、両パターンを実施する。  和歌山県や香川県、宮崎県では、17年度のパイロット事業を継続する形で取り組みを深めていく。宮崎県では17年度、発荷主を宮崎県経済農業協同組合連合会(JA宮崎経済連、新森雄吾会長)、元請事業者をJA物流みやざき(新森社長、宮崎市)、下請事業者を宮崎配送センター(伊藤礼子社長、同)とし、着地での待機時間可視化によるドライバーの拘束時間削減に取り組んだ。これを踏まえ18年度は、着荷主である東京の卸売市場側でも時間短縮の取り組みを展開していく方針。  一方、新潟県、岐阜県、大阪府、山口県、鹿児島県などでは、新たに対象集団を選定し、パイロット事業で把握した課題の改善に取り組む。岐阜県では、発荷主に関市の金属加工表面処理メーカーを、着荷主には名古屋市の精密機械メーカーを選び、工場内の集荷や荷役作業を効率化。トラック5台に乗務するドライバーの拘束時間(12~13時間)の縮減を目指す。このほか、新潟県では餅とパックごはんの物流で、鹿児島県では食肉輸送で、それぞれ実施を見込んでいる。





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