中小23社、関東で宅配 ラストワンマイル協組発足 仕分け&持ち込みで最大7割安く
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2018/04/23 0:00
東京都や神奈川、千葉、埼玉の各県の運送事業者23社はラストワンマイル協同組合(志村直純理事長、デリバリーサービス社長)を設立し、インターネット通販の配送に特化した個人宅配や法人配送を安価で受託する新サービスを立ち上げた。荷主が自ら配送エリア別などに仕分けし、営業拠点へ持ち込めば、大手宅配事業者に比べ料金が最大7割程度安くなる配送サービスを6月から提供。1年後に1日当たり5万個、3年後には15万個を取り扱いたい考えだ。18日の説明会で明らかにした。(佐々木健) 配送エリアは、組合員が事業を展開している1都3県で、組合員の保有車両数は計3100台。宅配大手の協力会社を中心にメンバーを集めた。新サービスでは、荷主に作業工程の一部を負担してもらうことで、運賃を引き下げる料金プランを提示。ヤマト運輸など宅配大手の値上げで出荷がままならない荷主企業の需要に応えていく。 協組では、組合員の配送エリアを市町村単位で分割し、1次仕分けセンターを東京千葉、中東京、埼玉神奈川の3カ所に設置。更に、2次仕分けセンターを7カ所、個別配送を行う営業所は44カ所設けている。 料金プランは、個人・法人別に4段階で設定。荷主が事前に配送エリア・組合員別などに荷物を仕分けし、1次センターか2次センター、もしくは営業所に荷物を持ち込めば、料金を割り引く。最も安価なのは、営業所への持ち込みとなる。 サービスでは①時間指定②配達日指定③日曜・祝日配達④荷物追跡⑤代金引き換え――などが可能。6月以降、集荷の電話受け付けや配達との同時集荷、本人確認配達サービスのほか、クール便などの商品も投入する計画だ。 また、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業者などが複数荷主の荷物をまとめ、仕分けした上で各拠点に持ち込むことも可能だ。 説明会で、志村理事長は「昨年から宅配大手が料金の引き上げや総量規制を打ち出したことで、困っている荷主は多い。我々は個配のノウハウを持っており、作業工程を減らせば料金の引き下げが可能だ。当初は1日3万個、1年後に5万個、3年後には15万個まで拡大し、配送(手段を確保)できないインターネット通販の荷主を救済するとともに、宅配大手のバイパスライン(副経路)として社会インフラを形成したい」と強調した。 今後は、荷主向けのサービス説明会を5月に開催。茨城、山梨、長野、静岡の各県の運送事業者を賛助会員に加え、将来的には配送エリアを拡大していきたい考えだ。 【写真=1都3県の23社でサービス開始(記念撮影する志村理事長〈最前列中央〉ら)】