JPR、パレットにIT活用 伝票電子化やタグ貼付 物流現場の負担軽減
産業
2018/04/19 0:00
日本パレットレンタル(JPR、加納尚美社長、東京都千代田区)は、製、配、販の連携を促進する次世代物流網の構築に向けた取り組みを本格的に始動させた。9日から開始したパレット伝票の電子化を皮切りに、RFID(無線自動識別)を活用したプラスチック製パレットの運用を推進。近い将来、検品の自動化やバース予約にもつなげ、物流現場の負担を軽減していく。(沢田顕嗣) ドライバー不足や作業員不足が常態化していることを背景に、物流容器と情報技術(IT)を結び付けたソリューションの提供を強化。まずはパレット伝票の電子化を図り、レンタルパレット管理の効率化・高度化・精密化を実現する。 これによりパレット入出荷作業の負荷軽減、データのリアルタイム性の向上、森林(紙)資源の保護と併せて、パレットをはじめとする物流容器を介した企業間の情報共有基盤を整備。大塚倉庫(濵長一彦社長、大阪市港区)や、卸大手のあらた、加藤産業などが伝票を電子化する。 JPRでは、T11型のプラスチック製パレットを自社のデポへ入出荷する際にRFIDを活用。パレットに貼付(ちょうふ)したタグの読み取りと重量測定が可能な自社開発のフォークリフト(タグ リーディング フォーク)も稼働させている。 19年3月期中にも、RFID装着パレットを駆使した重量検品及びバース予約の仕組みを実用化。フォークリフトやRFIDポータルゲートなど個体管理に必要な機器は、外販・レンタルを予定している。 1971年12月に設立されたJPRは、多くの企業をつなぐパレットの供給・回収を展開しており、パレットの年間出荷枚数は国内首位の4千万枚を誇る。2日、国内で7カ所目の営業所を埼玉県加須市に開設したほか、全国の70カ所程度にデポを設置。レンタル(R)、情報サービス(I)、運用管理支援サービス(M) を軸にソリューションを提供している。 二酸化炭素(CO2)排出量の削減にもつながるレンタルパレットの需要は、年を追うごとに増加。今後もレンタルパレットのサプライチェーン(供給網)の見える化に注力し、物流業界の喫緊の課題である省力化や手待ち時間の削減を支援していく。 【写真=自社開発のフォークリフトも稼働】