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阪神間/軸重違反頻発、弁明認められぬケースも 海コン事業者「安心して運べない」 道路構造 違いが原因?

行政

2018/04/16 0:00

 阪神間で海上コンテナ輸送を手掛ける運送事業者に対し、阪神高速道路(幸和範社長、大阪市中央区)から軸重違反の指導警告書が送付される事案が相次いでいる。特殊車両通行許可を取得していたのに弁明が認められず、違反とされたケースもあり、「こんなことが度々起きていては安心して運べない」と悲鳴が上がっている。(小菓史和)  17年10月、泉州物流サービス(上橋将良社長、堺市中区)に阪神高速から1通の指導警告書が届いた。特車許可を取得しているにもかかわらず、「一般的制限値を超える軸重が検知された」として指導警告書が送られてくることは、これまで珍しくなかった。上橋社長(68)は今回も、特車許可証など必要な書類のコピーを用意し、決められた期限までに弁明書を提出した。  「これで一件落着」と思っていた矢先の12月、届いた通知を見てがく然とする。阪神高速の回答は「走行履歴に対する弁明は、当該走行が違反に当たらないと判断しうる有効なものとは認められませんでした」となっており、指導警告書に記載された通り、違反点数3点を科す――という内容だった。  当該車両の特車許可証によると、最大軸重は11.05トン。積み荷である40フィート国際海コンの計量票には総重量34.79トンとあり、コンテナ本体の重量を差し引いた積み荷(被覆電線)の重量は26.44トンと記載されている。SOLAS条約(海上人命安全条約)で定められた積み荷の重量30.48トンは順守されていた。  納得できず、すぐに電話で問い合わせ、担当者の説明を聞いたところ、再びがく然とする。検知された軸重は15.1トン。担当者は「明らかに測定誤差の範囲を超えていた」と指摘した。「様々な規格にのっとり、法令を順守しているのに、一般的制限値の10トンを5トン以上も超過する軸重が検知されるなど、常識的にあり得ない。機器の故障か誤動作ではないか」と猛抗議したが、認められなかった。  違反とされる軸重が検知されたのは7月。積み荷を再確認して反論しようにも、コンテナは海外へと運ばれ、デバンニングもとっくに終わっている。上橋氏は「コンプライアンス(法令順守)には『バカ』が付くほど正直に取り組んできた。それなのになぜ」と頭を抱えるほかなかった。  車両制限令違反への罰則が強化される前の17年2月、大阪府貨物運送協同組合連合会(中川才助会長)傘下の組合員が軸重違反を指摘された。最大積載量11.5トンの大型トラックで10.8トンの荷物を輸送中、東名阪自動車道・亀山IC(三重県亀山市)の入り口ゲートに設置された自動軸重計が軸重16.7トンを検知したとして、中日本高速道路(宮池克人社長兼CEO=最高経営責任者、名古屋市中区)は指導警告書を送付。これに納得できない組合員は粘り強く弁明を重ね、12月に指導警告書が撤回されている。  罰則強化の前と後、トラックとトレーラといった違いがあるとは言え、積み荷の重さや車両総重量などから考えると、今回のケースで事業者が「あり得ない」と感じるのも無理は無い。  本紙の取材に対し、阪神高速広報部は「機器は正常に作動していた。車限令で規格が定められている以上、順守をお願いし、違反があった場合は厳正かつ公平に対処する必要があると考えている」と回答している。  更に、「測定機器の精度や許容誤差については性格上、明らかにするわけにはいかない」とした上で、「今回のケースは許容誤差を明らかに超えており、違反と認定せざるを得なかった」とコメント。  また、「走行中の重心移動や、ゲート通過時のブレーキング、料金所の構造上の影響も考慮し、実証実験を行った上で、許容誤差の範囲を定めているのか」との問いに対しては「様々なケースについて検証を行っている」と答えた。  上橋氏は、阪神港海上コンテナ協会(山口与嗣雄会長)の理事会で、これまでの経緯を参考事例として紹介。出席者から「他の会員の実態も調べる必要がある」「特車許可を取得していたのに、自動軸重計の計測結果に基づき、軸重違反の指導警告書が送られてきたという話を、阪神高速以外でほとんど聞かないのはなぜか」といった声が上がった。  阪神高速など都市高速道路と、東、中、西日本の各高速道路会社が管轄する高速自動車国道とでは、入り口ゲート(料金所)付近の道路の構造が異なる。こうした違いが「阪神高速で軸重違反が頻繁に検知される一因ではないか」と指摘する事業者もいる。  西日本高速道路(石塚由成社長、大阪市北区)では「構造上の違いについては、(阪神高速は)当社の管轄ではないので分からない。ただ、料金所の自動計測装置で一般的制限値を超える軸重を感知した場合は、阪神高速と同様、記録を精査した上で、後日、利用者に指導警告書を送付している」としている。  とは言え、阪神高速を日常的に走行する海コンドライバーの間では「〇〇入り口は軸重違反が出やすいので避けるべき」といった情報が共有されているのも事実だ。基準は同じでも、何らかの原因で測定結果に違いが生じているとすれば、「公平な取り締まりと言えるのか」という疑問が残る。  大阪府トラック協会海上コンテナ部会の山口与嗣雄部会長(54)は「阪神高速の自動軸重計測による違反については、会員から何件も相談を受けている。違反は絶対にあってはならないが、国際規格に準拠した海コンを国内で安心して運べないというのは、どう考えてもおかしい」と指摘。  その上で、「50年も前に制定された車限令を、現在の車両や輸送形態に当てはめようとするのは無理がある。時代に合った形に見直すよう求めていかなければならない」として、国土交通省などへの申し入れも視野に、中長期的に問題解決に取り組む姿勢を示す。  一方で、罰則強化以前にも、軸重違反を検知すれば、道路会社は利用者に指導警告書を送付していた。だが、ペナルティーが事実上無かったため、大半の運送事業者やETC(自動料金収受システム)コーポレートカードを利用する協組関係者は、それほど重く受け止めてこなかった。そうした点で、利用者側にも認識や対応の甘さが全く無かったとは言い切れない。  車限令違反のリスクから逃れるため、多くの海コントレーラが阪神高速を避け、一般道へ流れると、輸送効率の悪化を招くだけでなく、交通事故防止や環境保全の点からも大いに問題がある。国や行政機関も含め、早急に議論を深める必要がありそうだ。 【写真=「軸重違反の指導警告書が送られてきたという話を、阪神高速以外でほとんど聞かないのはなぜか」との声も(阪神高速4号湾岸線・南港中入り口)】





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