EMCC/パーキングクーラー、大トラ4社むけ出そろう 来月まで電動コンプレッサー式 年9万円燃料費削減
産業
2018/04/12 0:00
エバスペヒャーミクニクライメットコントロールシステムズ(EMCC、角幸一社長、神奈川県小田原市)は、大型トラック用パーキングクーラー「クールトロニック」の日野自動車向け機種を20日から販売開始する。三菱ふそうトラック・バス(ハートムット・シック社長兼CEO=最高経営責任者、川崎市幸区)とUDトラックス(村上吉弘社長、埼玉県上尾市)向けは5月末までに、それぞれ発売。いすゞ自動車向けは2016年1月に既に発売しており、今回のラインアップ拡充で国内大型トラックメーカー4社の車両に対応する機種が出そろう。(吉田英行) クールトロニックは冷房能力の高い電動コンプレッサー式で、バッテリーで稼働するため、燃料消費・排気ガスはゼロ。室内機と室外機を一体化した構造となっており、キャビンのリアガラス部分に取り付けて使う。補強、加工、配管固定などの工事が不要で、5、6時間程度の作業で取り付けられる。室外機は後部への突起が少ないため、荷台に干渉しない。室内機も形状を工夫し、ドライバーへの圧迫感を少なくした。 蓄冷式クーラーは冷風が出るまで3、4時間の走行が必要となるが、コンプレッサー式は事前走行が要らず、バッテリーの余力があれば長時間使える上、除湿も可能。バッテリー上がり防止機能も備えている。全日本トラック協会(坂本克己会長)の助成対象になっており、取り付け費用を含め最大6万円の助成が受けられる。メーカー希望小売価格は30万円(税別)。 販売・取り付けは全国120カ所以上のネットワークで対応する。今後、西日本でも拡大を図る。 EMCCでは「アイドリングせずに車内を安定して涼しく保つことができ、試算では年間9万円の燃料費が削減可能。燃焼式エアヒーターとの併用で、年間を通して快適な労働環境を提供でき、燃料節減、環境保全、人材の確保・定着に寄与する」としている。 【写真=室内機と室外機一体型で、リアガラス部分に取り付けて使用】