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取引労働改善大分協/パイロット事業、フェリーと高速道を活用 コスト負担 荷主と調整必要

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2018/04/09 0:00

 【大分】トラック輸送における取引環境・労働時間改善大分県地方協議会(前田明座長、放送大学大分学習センター所長)は、2017年度パイロット事業で、フェリーと高速道路を活用した金属製品の長距離輸送に取り組み、拘束時間を大きく削減した。  九州と関東を結ぶ長距離輸送で改善基準告示を順守するには、海上輸送と高速道路の利用が不可欠であることが浮き彫りとなった。  3月20日開いた会合でパイロット事業の結果を報告した。県内の製造業者を発荷主とし、県内に本社を置く一般貨物運送事業者が実運送を担った。関東・関西向けの輸送は大分─関西のフェリーを利用しているが、高速道路の利用が十分でない場合、運転時間や拘束時間が長くなる傾向があった。  実証実験では、関西でフェリーを下船した後、関東の着荷主まで全線で高速道路を利用した。その結果、従来の通算運転時間は17時間40分だったが、実験結果では通算7時間50分まで大幅に減少。1日当たりの拘束時間も10時間以内に収まった。  一方、課題は、コスト負担で荷主企業との調整が必要なことや高速道路の利用区分の検討、出荷時間でフェリーの乗船に間に合わないケースが指摘された。  運送事業者の委員から「発、着荷主と物流事業者が三者一体で持続可能な取引環境を模索しなければ、九州の長距離輸送は存続できない」「ドライバーの長時間労働を抑え、安全を担保するには、運送業界にしわ寄せが集まる現在の商習慣を変えなければならない」などの意見が上がった。  また、荷主企業の委員は「トラック輸送無しで事業は成り立たない。両者で協議を深め、より良い方向を目指す必要がある」と述べた。(上田慎二) 【写真=出荷時間でフェリーの乗船に間に合わないケースが指摘される】





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