岡山スイキュウ、企業主導型保育園を開設 9月メド 「子供は宝」企業も努力
物流企業
2018/04/02 0:00
岡山スイキュウ(片山順二社長、岡山市南区)は9月をメドに、企業主導型保育園を開設する。認可保育園並みのスペック(性能)を備える方針で、0歳から就学前までの従業員の子供を受け入れ、安心して働ける職場環境を実現する。また、地域住民の子供も募集して社会に貢献していく。3月16日に建設地(南区)で地鎮祭を行った。 岡山県内の物流会社が企業主導型保育園を開設するのは2例目。同社は企業主導型保育園助成金制度を活用し、建設費や運営費の一部を充てる。 敷地面積は590平方メートル、建物(平屋建て)の床面積は158平方メートルで、乳児室(0歳)、ほふく室(1歳)、保育室(2歳以上)を配置。また、屋根には太陽光発電の設備を取り付け、園内の電気を全て賄う。 保育のカリキュラムも充実させる。「食育」に力を入れるため、入り口の右手に全面ガラス張りの調理室を設置。外から調理の様子を見られるようにし、園児の食に対する関心を高める。また、自然素材を使った給食やおやつを提供するとともに、菜園活動や調理をしながら食べることの大切さや楽しさを体験してもらう。 更に、英語教育やリトミック(音楽を体で体験し、創造力や表現力を養った心と体の調和を高める教育)を取り入れるほか、隣の公園を利用して屋外での遊びも行う。 第1次募集では、従業員の子供を中心に12人の入園を想定。2次、3次と募集し、最終的に30人を受け入れる計画。保育士は当面、2~4人の見込み。保育園の名称は「かもめ保育園」で、会社のシンボルマークのカモメにちなんで付けた。 片山社長は「子育て世代の7割が支援の遅れから子供を産みにくい国になっている。国や自治体も必死に取り組んでいるが、間に合っていない。社会が『子供は宝』と言うなら、企業も努力すべきと判断し、保育園事業に踏み切った」と話す。 同社では今後、女性の雇用を増やして短時間勤務の仕組みを構築するとともに、男性従業員の子供も受け入れて配偶者の社会進出をサポートしていく。また、従業員向けの保育料は当面は格安にする予定で、最終的には無償化を目指す。(江藤和博) 【写真=細部のデザインなどは今後アレンジ】