取引労働改善兵庫協、対象集団以外も改善へ 長時間の作業抽出
団体
2018/04/02 0:00
【兵庫】取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会(小谷通泰座長、神戸大学大学院教授)は3月20日、会合を開き、作業時間削減の取り組みをパイロット事業の対象外にも広げる方向性を示した。 神戸製鋼所を発着荷主として実施した2017年度のパイロット事業では、実態調査の結果、工場の開門時間から作業開始までの平均待機時間が2時間に及んだ。一方、納品車両の入構から出構までは、荷役作業を含めて1時間、荷下ろしで24分にとどまった。 待機時間は長めの傾向となったが、着荷主が開門と同時に車両を受け入れている実情は、ドライバーにとって工場内で休憩できる好ましい環境と評価した。 対策については、午前中に集中している納品の平準化を検討したものの、工場内のフォークリフトの稼働が午後に偏っている荷主側の事情に阻まれて成果を得られなかった。 18年度は、パイロット事業を通じて参加事業者以外の作業時間も把握できたため、抽出した作業時間の長い事業者への対応を促進。全国の事例をまとめたガイドラインも活用することで取引環境の改善、労働時間短縮の可能性を広げていく。 兵庫県トラック協会の福永征秀会長は「標準貨物自動車運送約款の改正に伴う届け出が少ない。これは交渉下手で、従属性の強い業界の特徴を表している。兵ト協では、国土交通省、厚生労働省など関係行政4者の連名による注意喚起の文書を荷主に発出する準備を進めている。法律の裏付けを得た今、積極的に荷主と交渉して欲しい」と述べた。(渡辺弘雄) 【写真=パイロット事業の検証と今後の方向性を話し合う】