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東ト協連/運賃動向アンケート、「交渉した」3ポイント増 半数近く「値上げできた」

団体

2018/04/02 0:00

 【東京】東京都トラック運送事業協同組合連合会(石川和夫会長)は3月19日、運賃動向に関するアンケート結果を発表した。運賃交渉「した」が「していない」を上回った。過去10年間で「した」が上回ったのは2009年、14年の調査に続き3回目。交渉の結果「値上げできた」のはほぼ半数に上り、荷主の対応の変化が鮮明になりつつある。(高橋朋宏)  交渉する事業者が増える一方、現行の収受運賃について「少し低い」「低い」「極めて低い」を合わせると82.3%に上り、前回調査と比べて4ポイント改善したものの、依然として8割超が希望運賃を得られていない厳しい状況は続いている。  調査は年2回定期的に実施。今回の調査は7月末に行った。調査対象は200事業者で、164事業者(回収率82.0%)から回答を得た。前回の調査は17年7月末。  運賃交渉について「した」42.1%(前回比3.2ポイント増)、「していない」41.5%(1.4ポイント減)、「今後交渉する」15.2%(1.4ポイント減)だった。  交渉した事業者のうち「値上げできた」は半数近い49.3%(16.9ポイント増)に伸長、「特に変わらない」は34.8%(15.2ポイント減)を大きく上回った。「値下げされた」はゼロだった。  事業者は「報道などの影響もあり、荷主の対応は以前とは違ってきている」「残業代を払ってくれるようなった」「(運賃が)7%アップした」と荷主の対応に変化を感じている。  中には「約款に従うと12.5%アップになることを通告した。これからの交渉次第となる」「交渉が受け入れられなかったので撤退した」といった強気の事業者もいた。  しかし、「同じ得意先の運送事業者が値上げできていないのが分かるからできない」「運賃値上げも目標の数値に至っていない」「半数以上の荷主と交渉できていない」「値上げできたところ(1割)もあるが、据え置き(9割)もある」「運賃・料金の線引きがあいまいで荷主の理解を得られていない」などという声も少なくなかった。  現行収受運賃について最も多かったのは「少し低い」で41.5%(2.5ポイント減)、次いで「低い」33.5%(1.9ポイント減)、「希望通り」15.2%(2.7ポイント増)、「極めて低い」7.3%(0.4ポイント増)だった。  最近半年間の運賃収受状況は「値上げになった」14.6%(8.9ポイント増)と大きく伸び、「値下げにあった」1.2%(3.9ポイント減)、「特に変化はない」は81.1%(6.3ポイント減)だった。  これからの半年間の運賃状況については「値上げできるだろう」は17.1%(4.6ポイント減)と期待感は鈍化。「値下げの可能性が高い」5.5%(2.1ポイント増)、「特に変わらないと思う」75.0%(1.3ポイント増)だった。  ドライバーの充足状況は「完全に不足」11.6%(4.2ポイント増)、「かなり不足」15.9%(1.6ポイント増)、「少し足りない」40.2%(5.5ポイント減)、「ほぼ充足」26.2%(0.5ポイント増)、「十分充足」(0.2ポイント減)だった。





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