とちぎ安全教育センター、講習 実車教育に対応 どこでも働ける運転者へ
産業
2018/03/29 0:00
【栃木】とちぎ安全教育センター(臼井稔清社長、宇都宮市)では、各地のトラック協会と提携し、初任ドライバー教育を核にした運送事業者の人材教育を強化している。現在、栃木県トラック協会(吉髙神(きっこうじん)健司会長)が実施する初任教育を受託。準中型自動車運転免許の創設で改正された事業用自動車のドライバー指導と監督指針に対応する実車を用いた座学カリキュラムで15時間の新人教育を行う。 全国でも数少ない実車教育に対応した講習として、2017年4月の開講以来、常に満席でキャンセル待ちの状況が続いている。栃ト協では補正予算で定員枠を拡大。18年度からは、会員各社が独自に取り組めるよう、管理者向け教育も実施する予定だ。 15時間の座学では、どの運送事業者でも働けるドライバーを育成する。事業者が扱う車両や運ぶ荷物は多岐に渡るが、全ての業務の基礎になる知識を身に着けさせる。 臼井社長は「座学で使用する車両は平ボディー車。実車を使った教育では、偏荷重や軸重違反、荷崩れしない安全な積み付けや固縛方法を学んでもらう。そこまで基本的なことを学べる車両は、平ボディー車しか無い。平ボディー車こそプロの仕事の原点だ。個々の事業者に最適化した運転教育は、その後の実車教育20時間で対応すればいい」と話す。 同社は、指定自動車教習所トーブモータースクール(宇都宮市)を運営している。改正指針の中では外部の専門機関の活用を求めているが、臼井氏は「教習所は自動車の運転を教える場で、運送業のプロドライバー教育は別だ」と指摘。安易な提携が実りの無い教育につながらないか懸念する。 現在独自に、初任ドライバー教育で各地の教習所とトラック協会が連携するためのサポート事業に着手。更に、県内の高校で運行管理者基礎講習と管理者試験受験講習を開始した。 臼井氏は「プロドライバーは社会に不可欠で、大切な職業。将来的には人材獲得まで含めた総合的な教育サポートを行いたい」と話している。(佐々木健) 【写真=平ボディー車を使い、固縛方法を学ぶ初任ドライバー教育の参加者】