アップル、徹底した勤怠管理 クラウド型システム導入 運転評価 報酬に反映
物流企業
2018/03/22 0:00
アップル引越センターを展開するアップル( 文字(もんじ)放想(ゆきお)社長、東京都中央区)では、オークネット(藤崎清孝社長、港区)製のクラウド型車両管理システム「KITARO」を導入し、安全教育や燃費改善、徹底した勤怠管理、業務品質の向上を図っている。運転評価機能を活用し、ドライバーの報酬に生かす方針だ。(井内亨) 同社では以前、車載器を用いた業務管理を課題に挙げていた。実際に導入して運用を試みたが、ドライバーや管理者における操作面の煩わしさなどから、他の車載器導入を検討。リストアップした12、13種類の車載器の中から、試験期間として4カ月以上かけて選択肢を絞った。 試験期間中の17年11月ごろにKITAROを納入。OBD(車載式故障診断装置)アダプターを備え取り付けが容易な上、GPS(全地球測位システム)で位置情報や運転評価などあらゆる情報を取得できることから採用を決定。18年に入り、本稼働させた。 車載器導入にはドライバーの反発もあり得るが、同社では「管理・監視したい」ではなく、「品質を評価したい」「安全を担保したい」と目的を伝えた結果、否定的な反応は無かった。逆に、「業務を評価してくれている」信頼につながり、ドライバーの業務に対する意識が変わったという。 全車両57台にKITAROを導入。年間20~30台ほど増車したい意向だが、その都度追加していく方針だ。法人営業部の田中康貴マネージャーは「新しいことを行う際は多くのコストが掛かってしまうが、KITAROは月額料金制で初期コストがほとんど無い。取り付けが簡単なため、バージョンアップに伴う機器変更があっても、手間が掛からない」と評価する。 管理画面で車両位置が一目で分かるため、緊急時の対応に役立つ。今まで、現場で作業が遅れた際、応援体制構築に時間をがかかっていたが、位置や目的地への所要時間などの情報を基に、素早く対応できるようになった。 更に、取得情報をドライバーの評価にも生かす方針。KITAROの運転評価機能などの数値を集計している。今後、報酬制度に運転の項目を盛り込み、取得データなどから評価していく。 同社では今後、車載器と荷台カメラ、ドライブレコーダーを連携させたい意向だ。実現すれば、事故やトラブルなど緊急時に管理者が確認して、迅速な対応と事後教育につなげられる。しかし、通信回線が複数となるため、一括管理が難しい。田中氏は「メーカーには通信をまとめるようお願いしたい」と話す。 【写真=管理画面で車両位置が一目で分かる】