国交省、高速道路の整備加速 財政投融資1兆円活用 圏央道・東海環状道で
行政
2018/03/22 0:00
国土交通省は2018年度から、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や東海環状自動車道の未整備区間の事業拡大、圏央道・久喜白岡ジャンクション(JCT)―大栄JCTなどでの両側4車線化工事など、全国の物流ネットワークの核となる高速道路の整備を加速させる。(田中信也) 17年12月、麻生太郎財務相と石井啓一国交相は2018年度予算の大臣折衝を実施。現在の低金利を生かし、財政投融資から1兆5千億円を充当して道路整備を加速することが認められた。これを受け、国交省は関係する都道府県への意見聴取を始め、有料道路事業の拡大・変更に向けた手続きを進めている。 16日に開いた社会資本整備審議会道路分科会の事業評価部会(石田東生部会長、筑波大学名誉教授)では、18年度財政投融資計画に事業費が計上された区間を有料道路事業として拡大・変更することについて審議し、合意を得た。いずれも国交相の許可を経て、事業に着手する。 これまで供用開始時期が未定だった圏央道・大栄JCT―松尾横芝インターチェンジ(IC)、東海環状道・大安IC―北勢ICと大野・神戸IC―高富ICについては、財投の活用により、圏央道が東日本、東海環状道は中日本の高速道路会社が主体となり、事業を加速。いずれも24年度に供用開始できる見通しだ。 両側2車線で暫定供用中だった圏央道・久喜白岡JCT―大栄JCTは、地域の活性化や大規模災害発生時の代替性の観点から、両側4車線化の工事に着手。22年度から順次供用を開始し、24年度に完了する計画だ。 なお、4車線化は西九州自動車道の佐々IC―佐世保中央ICと佐々IC―佐世保大塔IC、国道10号隼人道路・隼人東IC―加治木JCTでも着手する。 また、事業評価部会では、17年12月の「近畿圏の新たな高速道路料金に関する具体方針」を改定し、西日本高速道路への移管が決まった国道2号神戸西バイパス・永井谷JCT-石ケ谷JCT、同24号大和北道路・奈良北IC―郡山下ツ道JCTの料金水準についても審議し、「妥当」との評価を得た。 【写真=社整審道路分科会の事業評価部会で妥当性を審議】