山形物政懇、人手不足対策が優先課題 基本給底上げ必要
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2018/03/19 0:00
【山形】山形県物流政策懇談会が9日、山形市で開催され、山形運輸支局管内の現状や適正化事業の実施状況、新年度の事業計画などについて、行政、事業者、労働組合の代表らが意見交換を行った。 山形運支局の石川智弘支局長が「業界の運転者不足が深刻だ。その要因の一つが長時間労働であり、抑制に向けて取引環境・労働時間改善協議会を立ち上げ、パイロット事業やガイドラインの策定などに取り組んでいる。懇談会の意見は、今後のトラック業界の適正化、活性化のため役立てたい。忌憚(きたん)無い意見を賜りたい」とあいさつした。 事業者を代表し、山形県トラック協会の加川操一会長は「ドライバー不足への対応が経営の最優先課題。労働環境改善に向け、労働時間の短縮に努めている。更に、労働時間が削減されても賃金が減らない体系づくりも課題だ。その原資は荷主との運賃交渉に懸かっており、適正運賃の収受が求められる。適正運賃とは一般的に原価プラス利益だが、今は原価の中に人件費をアップさせて加えないと成り立たない。理想ではあるが、前向きに取り組みたい」と強調した。 交通労連山形県支部第一貨物労働組合の水戸吉一執行委員長は「今春闘を見ると、中央は強気の動きだが、東北はその水準に至っていない。人手不足が課題だが、今の若い人は『賃金より休日、労働時間』を選ぶ傾向にある。企業の皆さんには運賃水準を引き上げ、基本給の底上げを図り、より多くの若い人材が業界に入るよう頑張っていただきたい」と述べた。 座長は持ち回りとなっており、今回は労組代表の運輸労連山形連合会の大場暁執行委員長が務め、当面する課題などについて意見を交わした。(黒田秀男) 【写真=官労使が一堂に会して懇談】