日本郵便/実証実験、自動運転でゆうパック 労働力不足解消へ
物流企業
2018/03/12 0:00
日本郵便(JP、横山邦男社長、東京都千代田区)は、自動運転車による郵便物、ゆうパック輸送の実証実験を12日から開始する。東京都の千代田霞が関郵便局から銀座郵便局までの2キロの区間で、16日まで1日片道1回運行する。 労働力不足の解消を目的に、自動運転車の物流分野への活用を実現するため、アイサンテクノロジー(加藤淳社長、名古屋市中区)、ティアフォー(武田一哉社長、中村区)が開発した実験車両(トヨタ・エスティマがベース)を使用。アクセル、ブレーキ、ハンドルなどの操作は自動で、万が一の際に人が運転する「レベル3」で実施。また、損害保険ジャパン日本興亜(西沢敬二社長、東京都新宿区)も安全運行のためのリスクアセスメントで協力する。 JP本社に併設の千代田霞が関局で郵便物などを積み込み、ルート途中の西新橋局でも荷物を積載、銀座局で荷下ろしする。実験を通じて積載・荷下ろしのオペレーション、特性の把握とリスク対策のためのデータを収集。技術のブラッシュアップや一層のリスク対策、導入開始可能時期などの検討材料とする。 自動運転車の実証実験は、労働人口が減り続ける中、「労働力不足を新技術で補う」(丸田達也調達部長)のが目的。ただ、「レベル3では人を減らすことができない」として、導入に当たっては「(完全無人の)レベル4が実用化の条件」としている。 7日にJP本社前で行われた開始セレモニーで、横山社長が「ドライバー不足が深刻化する中、自動運転車、ドローン(小型無人機)、AI(人工知能)、ロボットの導入はもはや夢物語ではない。(今回の実証実験は)『ファーストペンギン』としていち早く飛び出す決意の現れだ」と宣言。総務省情報流通行政局の巻口英司郵政行政部長は「郵便、物流での労働力不足解消に向け、大いに期待している」とエールを送った。出席者によるテープカットの後、実験車両がデモ走行を行った。(田中信也) 【写真=千代田霞が関郵便局から銀座局までの2キロで運行(7日のデモ走行)】