愛知ト協/就職支援、大学3年生に業界ゼミ VRで社内風景紹介 会員22社が参加
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2018/03/12 0:00
【愛知】愛知県トラック協会(小幡鋹伸会長)は2月16日、愛知学院大学の名城公園キャンパス(名古屋市北区)で、大学3年生を対象に物流業界セミナーを開いた。同大学の就職支援プログラムの一環で、会員事業者22社が参加。近隣大学の学生にも案内した。愛知ト協として初めての取り組み。(梅本誠治) 愛知学院大学の大学院で物流について教える丹下博文教授の働き掛けによって実現した、学生の就職支援の一つ。開催の伝達もゼミや学内グループへのメール一括送信で行い、費用を掛けずに参加者を集めた。 会場には、自社をアピールするのぼり旗やイメージカラーで整えたブースが並んだ。社内や就業の風景をVR(仮想現実)ゴーグルで閲覧できる機器を用意した事業者は、注目の的となっていた。 学生の就業を支援する大学キャリアラウンジの木林利行事務長は「様々な業界セミナーを行っているが、商工会議所や金融業が開いたものより学生の集まりが良かった。学生の視点が以前と変わり、将来不安のある業界に比べて物流は絶対無くならないと認知されているからでは」と評価。 一方で、宅配を手掛ける事業者やテレビCMを打つ大手事業者のブースには多くの学生が集まり、大手でも部品などB to B(企業間)が主体の事業者は学生の注目度が低かった。 丹下氏は「『物流は無くならない業界』との理解が進む半面、トラック運送の大部分を占める消費者物流以外の事業者がいかに自社をアピールしていくかといった課題も浮き彫りになった」と指摘。「求職活動の時期は決まっているため、同様のセミナーを通年で開くことは難しいが、2、3年にわたってこのようなセミナーを続ければ更に定着するだろう。学生に物流業界への興味を持ってもらう活動として、裾野を広げたい」と語った。 愛知ト協は2018年度、人材確保・育成への予算配分を大幅に増やすことを計画しており、高校生や中学生向けの出前授業なども企画している。将来的な人手不足への対策を一層推進していく。 【写真=会場に会員事業者のブースが並ぶ】