全ト協ダンプ部会、自重計廃止を要請へ 利用度「極めて低い」
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2018/03/08 0:00
営業用ダンプ(マル営)事業者の間で、大型ダンプ車に備え付けることが義務付けられている自重計の装着廃止を訴える声が高まっている。もともと廃止を求める声は多かったが、自重計技術基準適合証の直接の提示が無い場合でも車検証を交付するとした国土交通省の通達を受け、こうした機運が一層高揚。2月26日に開かれた都道府県トラック協会のダンプトラック部会長会議で、全日本トラック協会ダンプトラック部会(岡田安正部会長)が関係機関に対して廃止を要請していく方針を確認した。(田中信也) 同会議で、北海道トラック協会ダンプトラック部会の川口幸一部会長が、国交省が2017年3月に出した自重計の細部取り扱いに関する通達を踏まえ、自重計の装着廃止を提起した。 ダンプ規制法では、最大積載量5トン以上の大型ダンプに対し、自重計の取り付けと、年1回の定期点検を義務付けている。点検をクリアした車両には自重計技術基準適合証が発行されるが、国交省は通達で、適合証の提示が無くても車検証を交付することを規定。これに加え、「実情として自重計の利用度が極めて低い」として、川口氏は装着廃止を求めた。 こうした主張に対し、他都県の部会長も同調。業界の総意として、全ト協ダンプトラック部会が関係機関に廃止を要請していく方向性を決めた。 ただ、通達では「有効な自重計技術基準適合証を確認した旨が記載された保安基準適合証の提出」を代替条件とし、自重計技術基準適合証を提示できないケースでは、修理事業者などが行う法定点検を受けるよう口頭や書面で指導するとしており、自重計の基準適合証自体が「不要」とはしていない。安全性を担保する観点から考えても、廃止は容易ではないとみられる。 また、川口氏は、ダンプ表示番号についても「北海道の桁数が5桁に達し、有事の際の車両特定が困難な状況」として、表示内容を自動車ナンバーと同一内容に見直すことも提案。ただ、他の部会長からは「現行のままでいい」との意見が多数を占めたため、全ト協ダンプトラック部会としての要請事項としないことを確認した。 【写真=2月26日に開催された都道府県ト協のダンプ部会長会議で、北ト協ダンプ部会が提起】