中日本高速&遠州トラック、誰でも使える中継拠点 着工むけ採算性調査 新東名 浜松SA隣接地を予定
産業
2018/03/01 0:00
中日本高速道路(宮池克人社長兼CEO=最高経営責任者、名古屋市中区)と遠州トラックは全国のトラック運送事業者が利用できる中継拠点の利用意向調査に乗り出している。建設予定地は新東名高速道路・浜松サービスエリア(SA、浜松市北区)の隣接地が予定地。3月下旬に調査を完了させ、採算性のメドが付いた場合、18年夏ごろの開業を目指し着工する。完成すれば、異なる事業者が利用できる民間企業の全国初の中輸送拠点になるという。(奥出和彦) 中日本高速が収益を上げることができる事業として計画した。同社は新東名高速周辺での物流における諸課題解決に向けた事業を検討。ドライバー不足や長時間勤務、不規則な就業形態が表面化する中、異なるトラック事業者が利用できる中継輸送拠点として予定地の利用を17年から検討開始してきた。運用ノウハウを持つトラック事業者の協力を模索し、遠州トラックが賛同。両社の共同事業として計画を進めている。 計画では、新東名下り線側の浜松SAに隣接する8千平方㍍の土地で、場内でトラクタヘッドを交換する中継方法を想定。大型車が駐車できる縦20㍍、横4㍍のスペースを30台分準備し、入出庫管理を行う駐車場ゲートや照明、防護柵を備える。上下線のSAのスマートインターチェンジ(IC)を降り、中継基地でヘッドを入れ替え、再びスマートICを通過して走行する。 利用料は1回500~800円を考えており、利用台数によって調整する。マッチング待機時にはSA下り線のドライバーズスポットを利用できるようにする。宿泊を伴っていた中長距離輸送では、日帰り運行や宿泊数の縮減が可能となり、労働環境の改善や安全性向上が見込める。運営オペレーションは遠州トラックが担当する。 拠点の利用意向調査は、2月上旬から開始。両社の担当者が東京圏、大阪圏の大手トラック事業者から聞き取り調査を行い、3月下旬までに中小を含む50社以上から意向を聞き取る。中日本高速によると、東名、新東名を利用して東京圏と大阪圏を行き交う大型トレーラや大型トラックは、1日当たり5千台程度。1%に当たる1日当たり50台が中継輸送拠点を利用すれば、採算ベースに乗ると試算している。 遠州トラックの澤田邦彦社長は「新東名の完成以来、浜松いなさIC(浜松市北区)付近に、異なる会社が使える中継物流拠点をつくりたいと考えていた。今回、共同事業として進められることになり、うれしく思う。東西の中間地で、かなりの需要が見込めるのではないか。将来的には荷物の積み替えができるバースもつくれるといい」と話している。