全ト協青年部会/全国大会、常識とらわれず挑戦 魅力ある業界にしよう
団体
2018/03/01 0:00
全日本トラック協会青年部会(山本明徹部会長)は2月22日、全国大会を開催し、研修会を通じて研さんを積むとともに、交流会ではヒューマンネットワークの構築に努めた。今大会は「変革への挑戦」をテーマに掲げ、事例発表とパネルディスカッションを企画。働き方改革と生産性向上に資するヒントを学んだ。(沢田顕嗣) 山本部会長が「青年部会は次代を担う事業後継者の育成を目的に全国5300人の青年経営者で組織している。ブロック大会を順次開催し、この日の全国大会を迎えた。各ブロック大会には延べ2163人が参加し、本大会の参加申し込みは727人を数える」と報告。 続けて、「目まぐるしいスピードで技術革新が進んでいる。働く人の価値観も大きく変わろうとしている中、今までの常識にとらわれず、新しいことにチャレンジして、変化に対応していかないといけない」と強調した。 更に、「世の中の変化に合わせることにより、もっと魅力のある業界となる。ドライバー不足の解決にもつながると思う。全国の仲間と交流を深め、互いに学びながらアイデアを出し合い、魅力のある業界にしていきたい」と力を込めた。 全ト協の須藤弘三副会長は「皆さんの団結力と行動力に敬意を表する。業界の発展と社会的地位の向上にも大きく貢献しており、今後も青年部会の皆さんには大いに期待している」と激励。 自民党青年局の田野瀬太道団体部長も「運送、物流はゴミやエネルギーと並び、人間がいる限り地球上からなくならない仕事。皆さんには尊い仕事をやっていただいている」とエールを送った。 国土交通省自動車局の平島隆司貨物課長は「時代が色々変わろうとしている。将来を見据えて取り組むことが大事。ドローン(小型無人機)、隊列走行、自動運転と技術がどんどん変化していく。そうした機能を果たしやすい環境をつくっていく」と約束した。 引き続き、「青年経営者等による先進的な事業取組に対する顕彰」を実施し、金賞(広島県トラック協会青年部協議会)と銀賞(滋賀県トラック青年協議会)に選ばれた両者の代表に目録を授与。 事例発表は2社(柳川合同、菱木運送)が行った。柳川合同(福岡圏柳川市)の荒巻哲也社長が長距離便の時間短縮、他社と連携した輸送の効率化、モーダルシフト、中継輸送などの活動を説明。労働環境を整える施策として、ドライバー用のデスクを設けていることも紹介した。 一方、菱木運送(千葉県八街市)の菱木博一社長は独自に開発したデジタルタコグラフを活用して改善基準告示の100%順守を実現するとともに、生産性の向上、事故の大幅な減少、定着率アップにも結び付けていることを報告した。 両氏の発言を受け、パネリストを務める岩田亨也(東京)、米田勝紀(富山)、虎谷勝之(和歌山)、河合智哉(岡山)、松木一史(熊本)の各氏が質問。荒巻氏は「会社(従業員)が同じ方向に向くことが大事」と訴え、菱木氏は「安心して経営をしたいと10年前にシステム開発に着手した」などと応じた。